東京と大阪で年間の電気料金には2万円の差

価格高騰の切り札になりそうなのが低コストの原子力発電だ。原子力への依存度で家庭の電気料金は大きく異なる。それは特に関東と関西の電気料金の差によく表れている。関西電力は全発電量の半分程度を原子力に頼っている。一方の東京電力は柏崎刈羽原発を約14年ぶりに再稼働したが、度重なるトラブルで本格稼働したのは今年4月からだ。

総務省統計局の家計調査によると、2023年から2025年における二人以上の世帯の年間平均の電気代は東京23区が13万6060円で、大阪市が13万4726円だった。電気料金はほとんど変わらないが、世帯当たりの年間の電気使用量は大きく異なる。

大阪の年間平均使用量は4766kWhだが、東京は4052kWhだ。使用量に差が生じているのは、大阪の1世帯当たりの平均人員が東京に比べて多いことや、東京よりも夏場の平均気温が高いことなどが関係している。

仮に1年間に使用する量を4000kWhと仮定すると、トータルの電気代は大阪が11万3072円、東京が13万4313円となる。一概に原子力発電への依存度によるものとは言い切れないが、電源構成が異なる大阪と東京では、実に2万円以上の差が生じている。

東京都の4人家族の電気代は、年間平均で約16万円〜18万円が目安
東京都の4人家族の電気代は、年間平均で約16万円〜18万円が目安

関西電力は原子力発電所の定期検査などを行なうため、今年度の原発の稼動率は低下する見込みだ。これにより、年間のエネルギー事業の利益は230億円程度押し下げられるという。裏を返せば、それほど低コストで発電できるということなのだ。

一方、原子力発電には高いリスクも伴う。4月30日に発表された最新の決算で、東京電力は4500億円を超える赤字となったが、これは主に9138億円もの災害特別損失を計上したからだ。災害特別損失とは、東日本大震災で被災した福島第一原発の復旧等に必要な見積額が増えたことによるものである。

東京電力は廃炉に必要な費用を8兆円と見積もっているが、当初は2兆円と予想していた。費用は大幅に膨らんでいるのだ。廃炉費用や賠償金は電気代に一部上乗せして捻出されている。

足元のインフレで人件費や資材費、エネルギー価格が上がっていることを考えると、今後も廃炉に必要な費用が計画を上回る可能性も十分ある。それが最終的に電気代に跳ね返ってくるわけだ。