エネルギー価格高騰の影響を反映できず電力会社の多くが減益に
「燃料輸入価格は今月(4月)ぐらいから上がっていくということだと思いますので、それから2~4か月後に、一般的に言えば電気・ガス料金が上がり始める」
赤沢亮正経済産業大臣は、4月24日の記者会見でこう発言した。これは6月ごろからの電気料金の値上がりを示唆している。
大手電力会社の決算が出そろったが、軒並み軟調である。東京電力は4542億円の最終赤字、関西電力は1割の減益だった。今年度は減益予想を出している会社が大半だ。東京電力などは燃料価格の見通しが不透明で未定としている。電力会社は燃料価格高騰の影響を価格に転嫁するのに時間差が生じるため、一時的に利益が押し下げられるケースが多い。
イラン情勢が緊迫化した影響で、3月から原油価格の高騰が本格化した。電力会社が利益を取り戻すため、先食いしたエネルギー高の影響を電気料金に反映すると、一般家庭は6月請求分から月間で数百円~1000円程度の値上げになる可能性が高い。エネルギー価格の高止まりはしばらく続くとみられており、年間で1万円前後の負担増になりかねない。
「再エネ賦課金」の価格改定も見逃せない。4人世帯の平均的な使用量といわれる月間400kWhあれば、0.2円の値上げで月額80円の負担増、年間の再エネ賦課金だけで負担額は2万円を超えてくる。
また、大量の電力を消費する事業者への影響も大きい。今回再エネ賦課金を値上げした分だけで、事業所によっては月数万円、年間数十万円の負担増もありえる。原油価格高騰の影響と再エネ賦課金の値上げによって電気代が重くなり、商品やサービスへの価格転嫁が進む可能性があるのだ。
大手製菓メーカーの江崎グリコは5月1日からポッキーやGABA、カプリコなどの菓子類の希望小売価格を3~12%引き上げたが、その要因の一つとしてエネルギーコストの価格上昇を挙げている。こうした物価高騰の積み重ねで家庭の負担は重くなる。
政府は石油節約の呼びかけをためらう一方で、経済界からは需要抑制の声も聞こえてくる。需要喚起策である補助金の導入か、節約かの二択となっているのだ。安易に補助金を導入することもできず、難しいかじ取りが迫られている。













