バイキング形式の観光ホテルでも家族4人で1泊10万円

背景にはインフレによる旅行費や外食費の高騰と、節約意識の高まりがありそうだ。

観光庁によると、2025年の日本人の延べ国内旅行者数は5億5366万人だった。前年比2.5%の増加だが、2024年は8.5%増えていた。コロナ禍前の2019年は5億8710万人だったことを考えると、コロナ禍以降のリベンジ消費はすでに一服しており、旅行の人数そのものは回復しきっていない。

驚くべきは旅行単価の高額化である。2025年の宿泊旅行の単価は7万2273円。前年比4%の増加だった。2019年比で3割(1万7219円)上がっているのである。旅行単価は2022年からの値上がりが顕著だが、価格高騰がリベンジ消費の熱を冷ましてしまったかのようだ。

※観光庁「旅⾏・観光消費動向調査」より筆者作成
※観光庁「旅⾏・観光消費動向調査」より筆者作成

 今や観光ホテルでも、家族で訪れれば10万円前後が普通だ。例えば、「鬼怒川観光ホテル」の公式ホームページでこどもの日の5月5日に大人2人、子供2人で1泊のプランを検索すると、最安のものでも9万1000円を超える。かつて観光ホテルは家族で手軽に泊まれる代表的な場所だったが、4人で1泊10万円の時代に入った。庶民には手が届きづらくなっているのだ。

価格高騰が激しいのはテーマパークも同じである。

オリエンタルランドのテーマパーク事業の2026年度の入園者数は2753万人で、前年度比0.1%の減少だった。2025年1月に東京ディズニーシーの新アトラクション「ファンタジースプリングス」の入場制限が解除されたにもかかわらずだ。

東京ディズニーリゾートは変動価格制を導入し、2023年にチケット代が初の1万円を超えたことは記憶に新しい。有名なテーマパークも家族で訪問するには高嶺の花になりつつある。