「この作品で笑うなんて信じられない」と「ごめんなさい」
蓮見 なるほどなぁ。テーマの選択によっては、そういう葛藤が生まれるんですね。大石さんが抱えていたような葛藤と、自分は対峙したことがないと思います。それこそ僕が「テーマがない」って言われ続けてきたゆえんなのかもしれないけど。
大石 これまでの私の作品では、話がどんどん飛躍して、全体を貫くテーマを見せないようにしようとしてきたんですけど、フェミニズム的な要素はいままでの作品にだって含まれてはいました。
ただ今回、わかりやすくフェミニズムの観点が加わったことでより自分に引きつけて作品を見られるようになったお客さんもいるのかなと感じて。それはそれでよかったのか。むずかしいですね。
わかりやすく見られすぎた感じもあるし。かしこまった見方を強くしたかも。もちろん笑いがメインの演目というわけではないけど。でもやっぱり笑ってほしいなっていうのもあるので。
蓮見 ダダルズの公演には、どんなお客さんが来るんですか? 配信映像を観てて、自分が会場にいたら声を上げて笑っただろうなっていう瞬間がいくつもありましたけど、やっぱり演劇のお客さんってあんまり笑わないイメージがあるから。
大石 私もちゃんとは把握できていなくて、終演後にSNSでエゴサしてみたんです。そしたら、「この作品で笑うなんて信じられない」みたいな感想が上がっていて。で、その感想に対して、笑って観てたお客さんが「ごめんなさい」って謝ってるみたいな――。
蓮見 ええっ?
大石 やり取りがあったんです、SNS上で。
蓮見 ほら、演劇にはこういうお客さんがいるんですよ(笑)。
大石 笑っていいのかわからない、でも笑ってしまう。そういうことってあるじゃないですか。あの居心地の悪さを私は共有したいんです。なので、テーマがシリアスなものだったとしても、私としては笑ってもらえるような言い回し、テンションをなるべく意識してますね。
笑ったあとで、なんで笑ってしまったのかを各々で考えてもらえたらいいっていうか。まあ、お客さんが何を目的に劇場に足を運ぶかで、反応に差が出るのは当然だと思いますけど。
蓮見 お笑いだったら、みんな笑うために劇場に行くからわかりやすいんですけどね。
大石 逆に演劇だからってことで笑うのを我慢している人がいるなら、それは肩身の狭い思いをしてるはずですよね。どうするのがいいんやろ。














