岩手県では早くもクマによる犠牲者か…

岩手県でクマによる事案が発生したのは21日午前9時50分ごろ。紫波町山屋鍋沢付近の山林地帯で、紫波署の男性署員(56)が、クマに襲われ重傷を負った。警察官とハンターによる行方不明者の合同捜索中に、潜んでいたクマに男性署員が遭遇した。顔や腕、太ももを引っかかれたり咬まれたりしたものの、病院への搬送時も意識があったという。

「顔面の皮膚や肉がえぐれるほどの重傷ではありますが、男性署員の意識はあります。幸いにも縫うまでには至りませんでしたが、目にも損傷を受けていると聞いています。会話は可能な状況です。体の一部が欠損するような事態は免れましたが、復帰にはかなりの時間を要する見込みです」(同署幹部)

事案の端緒は20日午後5時45分ごろ、現場近くに住む人からの「エンジンがかかったままの軽自動車が停まっている」という110番通報だった。同日夕方から警察官が捜索にあたり、付近はクマの出没地であるため、21日午前9時40分からハンター3人と警察官4人の計7人が二手に分かれて本格的な捜索を開始した。

ツキノワグマ(写真/PhotoACより)
ツキノワグマ(写真/PhotoACより)
すべての画像を見る

同署関係者によれば、捜索開始時には細心の注意を払っていたという。

「もともとこのあたりでは、クマが出そうと聞いていました。クマがいると危ないので、捜索開始時には花火(爆竹)を数本鳴らしています。ところが、そのわずか10分後、別の班がクマを発見。見つけた班員が『クマだぞー!』と大声を上げました。

するとクマが男性署員のいる別の班の方向へ突進し、襲いかかったのです。男性署員を襲ったクマは、同行していたハンターが午前10時ごろ、駆除しましたが…」

その後、機動隊を動員して周辺を再捜索したところ、数十メートル離れた沢のくぼ地で、成人女性の遺体が横たわっているのを発見した。遺体はクマと思われる動物に激しく引っかかれた痕跡があるという。

「DNA鑑定などの照合を進めなければ、身元の特定が困難なほどの状態です。放置されていた車の持ち主の女性と連絡が取れていないことから、司法解剖を進めるなどして、慎重に調べているところです。また、駆除されたクマは成獣で、解体後の調査では胃はほとんど空の状態でした。

同署内ではクマにこれまでの常識が通じないと、署内では話題になっています。これまでは爆竹や鈴などの音を鳴らせば逃げると思われていましたが、今回は花火のわずか10分後に襲われている。音慣れしているんですよね…。男性署員のケガもひどく、恐ろしい事態です」(同署関係者)