圧倒的多数のアメリカ国民が大統領に明確なNO

外部からの批判であれば、対立を煽って味方を団結させる材料に使うことができる。だが、内部からの崩壊は防ぐのが非常に難しい。

以前大統領に投票した穏健な共和党員たちは、終わりの見えない戦争と、家計を押し潰すガソリン価格の高騰に耐えきれなくなっている。

政治の行方を決めるのは、大きな声を上げる熱狂的なファンではなく、静かに生活費の計算をしている穏健派の有権者たちである。大統領は、味方を自らの政策によって遠ざけてしまった。

総括しよう。MAGA層がイラン攻撃を強く支持しているという意見は事実を含んでいる。しかし、一部の熱狂的な支持をもってトランプ大統領の支持率は下がっていないと結論づけるのは、現実の数字から目を背ける行為に等しい。

データが冷酷に示している現実は、経済的な打撃と戦争の泥沼化への不安から、圧倒的多数のアメリカ国民が大統領に明確なNOを突きつけている姿である。

文/小倉健一 写真/shutterstock