人の主食は長らく「骨髄」だった

では、旧石器時代の人類が何を主要な栄養源としていたのか。

そのヒントが2019年、イスラエルのケセム洞窟から発見されました。ケセム洞窟は前期旧石器時代(約42万~22万年前)の遺物がたくさん見つかった場所。

そこから「動物の骨を保存し、後から骨髄を食べていた可能性」を示す痕跡が確認されたのです。

つまり旧石器人は、骨髄を食糧備蓄として缶詰めのように大事にストックしていたんですね。

写真はイメージです(写真/Shutterstock)
写真はイメージです(写真/Shutterstock)
すべての画像を見る

この仮説は霊長類研究者・島泰三氏の著書『親指はなぜ太いのか』でも紹介されています。

島氏はマダガスカルの猿・アイアイを長年研究する中で、霊長類の口や手の形態が資源利用の様式(ニッチ)によって決まることを見出しました。

そこから導かれる結論はこうです。

一本だけ離れて生えた太く短い親指、硬いものを噛み砕ける歯を持つ初期人類は、拇指対向性の手で石を握り、ガンッと骨を割り、臼歯でゴリゴリすり潰し、骨髄や脳を主要な栄養源としていたのではないか――というものです。

僕たち現代人は赤身肉を主な可食部としていますが、もともとは大型肉食獣が食べ残した骨を洞窟に持ち帰り、骨に付着した肉からタンパク質と脂質を摂取。さらに骨髄からビタミン、鉄、カルシウム、マグネシウムを得ていた。

つまり「骨を割る音こそ、旧石器人の食卓のBGM」だったのです。

文/金森重樹

『なぜヒトは脂質で痩せるのか』(扶桑社新書)
金森重樹
『なぜヒトは脂質で痩せるのか』(扶桑社新書)
2026/2/28
1,100 円(税込)
192ページ
ISBN: 978-4594102210

糖を捨てよ、脂を食べよ!

シリーズ累計10万部を突破した
「金森式」の著者が書き下ろした
「ダイエット」「健康長寿」の常識を塗り替える唯一無二の衝撃作!

◇ 体を蝕む糖と決別し、脂質中心の生活にシフトチェンジしよう

カロリー制限や糖質制限によるダイエットや、たんぱく質中心の食事による筋トレ健康法。
世の中には間違った「健康習慣」があまりに溢れています。
これでは痩せたり、健康になったりするどころか、逆の結果を招きかねません。

「正しい知識を身につけ、生活習慣に落とし込まない限り、望む結果は得られない」

そんな問題意識から執筆した著者が、2020年に刊行した『ガチ速〝脂〟ダイエット』は瞬く間にベストセラーとなり、レシピ本、サプリメントに重きを置いた健康長寿本と立て続けに出版。シリーズ累計10万部を突破しました。

・断糖高脂質=糖質を極限まで排除し、良質な脂質をたっぷりと摂る
・食事は回数や食べる時間にも気を配り、「1日1.5食」を習慣化させる
・足りないビタミンやミネラルを検査で把握し、サプリメントで補足
・寒冷負荷に体をさらして、「脂肪が燃えやすい状況」を作る
・代謝のメカニズムを理解し、「意味のある栄養補給」にする

他にもまだたくさんありますが、3冊の著書を通じて紹介した食事やサプリ、生活スタイルの改善方法はSNSでも大きな話題となり、いつしか「金森式」と呼ばれるように。

著者自身、2か月で90kgから57kgへと体重が減ったのはもちろん、担当編集者(40代男性)は3か月で17kg、担当ライター(30代女性)は1年で15kgのダイエットに成功。

糖と決別し、脂質にシフトチェンジすることによって、劇的な変化をもたらしたのです。

◇ 本質は「断糖高脂質×人類学」にあり!

それから5年――。生物や化学のみならず、人類学、民族薬理学など多様な学問まで網羅した著者は、より高い解像度でダイエットや健康長寿について理解を深めました。新書版として、そのエッセンスをなるべく平易にまとめたのが本書となります。

それは、単なるダイエットの手段ではなく、健康長寿を手に入れるための切符。

「おなか周りについた脂肪を落とし、痩せた体を手に入れたい」と思う人から、「長生きできても、病院暮らしでは意味がない」と願う人まで、健やかな人生を望むすべての人への最適解が詰まった1冊に仕上がっています。

・なぜ、糖質を絶たねばならないのか。代わりに脂質なのか?
・肥満が糖尿病や認知症につながっていく理屈(メタボリック・ドミノ)
・西洋医学が歪めてきた健康を取り戻す術
・シャーマン、メディスンマンに見る先人たちの叡智
・マイク・アダムズがローンチしたAI「ブライトアンサー」の凄さ

こうした知識やノウハウを楽しみながら、身につけることができるはずです。

amazon