「時間=評価」という硬直化したルールは、いったい今の私たちの何を守っているのか

裁量労働制とは、実際の労働時間でなく、あらかじめ企業と労働者で規定した時間を働いたものとみなし、その分の賃金を支払う制度のことを言う。

たとえば、労働したとみなす時間(みなし労働時間)を8時間と定めた場合、実際の労働時間が1時間であっても10時間であっても、同じ8時間分の賃金が発生する。

高市政権では、この裁量労働制の拡充を目指す意向を示しているが、これについて連合(日本労働組合総連合会)の芳野友子会長は「拡充ではなく適正な運用こそが先だ」と強い懸念を表明した。

この懸念は決して的外れではない。日本の労働現場には「定時で帰りにくい空気」や「上司の評価を気にしたサービス残業」という根深い構造的な病理があり、裁量労働制が拡充されることで実際の労働時間がみなし時間より長くなったり、企業が残業代逃れに悪用する懸念もある。