「もう二度と恋愛は望めない」

A氏側の主張に対し柏木さんは肩を落とす。

「前後の会話などを取っ払ってそこだけ切り取られても…という悔しい思いでした。今後の訴訟に関係するので内容は控えますが、他の質問に対しても既婚の事実を認めた以外は私の心を強く踏みにじる回答ばかりでした。それならもう裁判しかないなって…」

Aと柏木さんのやりとり(写真/柏木さん提供)
Aと柏木さんのやりとり(写真/柏木さん提供)

11月、訴訟準備にはいった柏木さんだが、弁護士が取り寄せた戸籍謄本を確認するまではわずかだが、それでも“Aを信じたい思い”もあった。

「家にも招き入れられて、人前で堂々とキスをしたり、職務に関する機密情報まで共有され、最後までAが単身であると信じたい思いでした。戸籍謄本を確認するまで『離婚しているのでは』それか『離婚寸前なのかも』とも思いました。でもその戸籍にまだ幼い子どもの名前もあり、なにがなんだかわからなくなりました」

柏木さんはAと交際時はアラフォーだった。年齢的に妊娠率はかなり低下しているとはいえ望みがゼロではない。「やはり好きな人の子どもを妊娠し、出産するという経験をしたかった」と声を震わせる。

Aと柏木さん(写真/柏木さん提供)
Aと柏木さん(写真/柏木さん提供)

「当時はAのことが好きでしたから、私としては妊娠や出産ができるかもしれない最後のチャンスと思っていました。でも今となっては妊娠出産どころか男性不信に陥り、もう二度と恋愛は望めないと思います。その意欲がありません。人を信じる気持ちを奪われたと思っています」

2月におこなわれた初公判。Aと代理弁護士は法廷に姿を現さなかったという。次回の裁判は3月中旬に行われる予定だが、かつて「割り屋」と言われた元検事は自分が引き起こした事案に、口を割るのだろうか。

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取材・文/河合桃子 集英社オンライン編集部ニュース班