「ぶっちゃけマジで、しんどいんすよね」渡辺直美の本音
これはなにも、グローバルに活躍する人たちだけの話ではないだろう。剥き出しの個人として「いま何ができるか」を問われがちな社会のなかで、私たちの多くがいつの間にか選ばされる道でもある。
別の番組で、渡辺もこう語っていたことがある。
「ぶっちゃけマジで、しんどいんすよね。仕事の交渉とかも自分でやってるんで、いくら口でこういうふうなことやりたい、ああいうふうなことやりたいって言っても、やっぱりみんな、その場で見せないと納得してくれないので。(中略)だからやっぱ心折れそうになることもめちゃくちゃいっぱいあって」(『笑いの正体』NHK総合、2022年7月5日)
もし、今回のゆりやんの心の揺れが「弱さ」に見えるのだとしたら、それは彼女が弱いからではない。未完成な状態の揺れを、社会が待てないからだ。人が変わりつつある過程そのものが、評価の外に置かれてしまうからだ。
もちろん、いつまでも待てるわけではない。ゆりやん自身、「自分が好きなことやってても、ウケてなかったら意味ない」と語る。けれど、「いつまでも待てない」という現実を、「すぐに結果をだすべき」と置き換えてしまうのは拙速だ。
その拙速さが、「どうせ成功しない」「すぐに戻ってくる」という評価に私たちを飛びつかせてしまうのだろう。
「(ロサンゼルスで)華やかな生活スタート、みたいに思ってたんですけど、こんなに自分というものに直面させられるか、みたいな。でも、とにかく、答えはわかんないんですけど、自分を紐解いていくみたいなのが、いまは楽しい。ちょっとずつわかったり気づくこともうれしいです」
結果の手前で揺れながら進む。その姿を、冷ややかに見ることはできなかった。
文/飲用てれび



















