党税調幹事の動画が示す「消費税12%構想」
いっぽう、黒崎氏に連絡がいったかどうかは別にして、この騒ぎをきっかけに自民党内で「12%」が語られていた可能性があったことに注目が集まっている。
党税調の幹事を務める前職の衆議院議員・井林辰憲氏(静岡2区で立候補)が、自身のYouTubeチャンネルで昨年6月4日に公開した動画で具体的にこう話していたのだ。
〈食料品、今8%でお願いしてるのはゼロにする。その代わり財源っていう話になりますんで、私は今10%でお願いしてるとこを12%にすると大体合うらしいんですよね〉
この動画は公開より3週間以上前の昨年5月12日に収録していると動画の中で話す井林氏は、所得の再分配機能や低所得者の負担軽減を考えると食料品の消費税をゼロにすることが有効だと解説した上で、
〈目指すべき社会の方向性として、消費税、食料品はゼロで、その他を12とかにですね、お願いするってことはやっていくべきじゃないかなという風に思っております。
こうしたことをですね、今週、税制調査会の消費税で議論があるという風に言われてますのでお話をしたいと思います〉
とも述べている。
3日朝の取材では、黒崎氏は井林氏のこの発言について「事実関係として私は認識してない。そもそもそれが税調として話をされているかどうかもわからない」と答えた。
また、井林氏が動画の中で言う食料品の税率ゼロ構想は恒久的措置とのニュアンスで、現在自民党が公約に掲げている2年間の時限措置とは違いがある。
そこで3日午後、地元で選挙活動中の井林氏に直接、こうした構想を税調で実際に提案したり、税調が議論したりしたことがあるか、またこの構想と自民党の公約には関連があるのかどうかを尋ねようとした。
井林氏は「質問は事務所を通じてください」と話し、その場での取材には応じられないとしたため、井林氏の地元事務所に質問を送ったが期日内に回答はなかった。回答があれば追記する。
実現可能性がどれほどあるのかは別にしても、消費税低減策を各党が競っている今回の総選挙。物価高の主因である円安を招く悪材料にもなりうる「減税」ばかりが語られているため、日本の円安基調は変わらないだろう。増税も含めた税制変更論議を選挙でタブー視するなら、責任ある政策提示とは言えないのではないか。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













