「やらせ」疑惑で炎上を加速させた『探偵!ナイトスクープ』

一方で、同じく炎上した1月23日に放送された『探偵!ナイトスクープ』(ABCテレビ)は、性質がまったく異なるものだった。

この日は、小学6年生男子からの「6人兄妹の長男を代わって」という依頼を放送。すると、大家族の中で、両親に代わって家族の世話をしているように見える小学生の姿が、「ヤングケアラーではないか」と受け取られ、両親に対する批判が一気に広がった。

問題の回で探偵役を務めた霜降り明星・せいや(写真/産経新聞社)
問題の回で探偵役を務めた霜降り明星・せいや(写真/産経新聞社)

番組放送後も親のSNSが掘り起こされ、拡散され、炎上は番組の外でもとんどん燃え広がった。

その後、ABCテレビは当該回を配信から削除し、声明を発表。そこでは、番組の編集・構成によって生活状況を強調して表現したこと、結果として実態とは異なる印象を与えてしまったことを認めている。そして、家族への誹謗中傷をやめるように呼び掛けた。

演出があること自体は、テレビ番組では珍しい話ではない。物事を分かりやすく、強く見せるための工夫は、テレビ界で長年当たり前のように行なわれてきた。

しかし、今回のケースでは、完全にやってはいけない種類の「演出」であった。一部については、「演出」という言葉では収まりきらず、「やらせ」「でっちあげ」と受け取られても仕方がない内容だったとも言えるものだった。対象が一般人であったため、番組側にはより慎重な配慮が求められていたはずなのに……だ。

視聴者がどう感じるかを事前に想像することは、いまのテレビを作るうえで最低限求められる姿勢だが、それが十分に機能していなかった点に、制作側の意識の古さが透けて見えてしまった。ここが『水ダウ』の炎上とは、明らかに質が違う点だ。

もっとも、だからといって、番組や出演者を執拗に叩くSNSの動きが正しいとも思えない。

先月、2025年12月29日に放送された年末特番『ウンナン極限ネタバトル!ザ・イロモネア 笑わせたら100万円』(TBS系)では、芸人のネタに笑わなかった一般審査員がSNSで誹謗中傷を受け、番組側が注意喚起を行なったばかり。