「これで鶴松も、名実ともに完全な中村屋の一員になったな」

鶴松の起こした問題について、歌舞伎との関係性が深い浅草からは今後、批判の声が止まらないと予想される。

「そもそも、彼が事件を起こした浅草は、中村屋にとっては『聖地』とも呼べる特別な場所です。中村屋のルーツは江戸時代、浅草・猿若町にあった『中村座』の座元ですからね。勘三郎さんが『平成中村座』を旗揚げしたのも、ここ浅草でした。

当然、観光協会や地元商店街、旦那衆や芸者衆とも公私にわたって縁が深い。それだけに、地元からは『よりにもよって...』と落胆し、『恩返しすべき浅草に泥を塗るとは大馬鹿者だ』なんて厳しい声も聞こえてきますよ。

ただ、皮肉な話もあります。中村屋といえば、鶴松が『兄』と慕う七之助さんも、かつて勘三郎さんの襲名公演中に泥酔してタクシー運転手への暴行事件を起こしていますからね。

我々記者の間では『これで鶴松も、名実ともに完全な中村屋の一員になったな』なんて不謹慎なジョークも梨園関係者のあいだで飛び交っていますよ」(同前・ベテラン演芸記者)

中村屋にとって聖地の浅草(撮影/集英社オンライン)
中村屋にとって聖地の浅草(撮影/集英社オンライン)

今後の進退について、ある梨園幹部は冷静なコメントをする。

「團十郎(海老蔵時代)の酒席トラブルに比べれば小さい話。死傷者もいない。襲名公演は延期になっても、中止はないだろう。ダメージは少ないはずだ」

鶴松は現在、報道陣の前で謝罪をしたものの、他の問いかけには答えず、黒の乗用車で警察署を後にした。今後、浅草の関係者や歌舞伎ファンらに説明などはされるのか。リアル国宝・鶴松の今後に注目が集まる。

幼少時代の鶴松氏(左)と勘三郎さんの2ショット(本人SNSより)
幼少時代の鶴松氏(左)と勘三郎さんの2ショット(本人SNSより)

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班