夫と義両親への決意表明「3年限定デスマッチ」

「仕事を辞めて漫画家になりたい。専門学校に行きたいから住宅ローンも払えません。どうしてもダメだったら、離婚してください」

意を決して打ち明けたところ、夫はこれまでの頑張りに感謝し、追い詰めてしまっていたことを謝罪。専門学校に行くことを賛成してくれた。また義父母もその道を快く応援してくれた。

その後、深謝さんは、専門学校のAO入試を受けてみごと合格。50歳で28年間勤めた職場を離れると、4月からは学費を21万円ほど免除される特待生として、専門学校に通い始めた。

「期間は3年間。53歳までに結果を出す」

そうした覚悟のもと、朝9時から17時までデジタル技術と漫画の基礎をみっちり叩き込んだ。在学中、母の緊急手術などの苦難があったものの、10月にはテレビドラマの劇中マンガ・ポスターの作画担当としてメディアデビュー。2022年にはkindleのお片付け本の挿絵を担当した。

しかし、その後は鳴かず飛ばずの日々…。深謝さんは、出版社への持ち込みやWEB投稿など、40回以上、自分の作品を編集者などに見てもらったが、一向に採用されなかった。

そして、その後の目途が立たぬまま、2023年3月に専門学校を卒業し、無職となった。

卒業後も採用されなかった作品を同人誌にまとめてコミティア(同人誌の見本市)に出したものの、思うような結果にはつながらなかった。

「商業漫画家は諦めるしかないのかな……」

3年の期限まで、あと1カ月。追い詰められた深謝さんだったが、「これが最後の機会」と実録のコミックエッセイ介護漫画『53歳からクアッド(4人)介護、始まっちゃいました』を描き上げ、コミティアで編集部に持ち込んだところ、初担当が決定。念願の商業デビューにこぎつけることができた。

その介護漫画がデビュー初連載になり、2024年10月から12月まで、主婦の友社のWEBマガジン「ゆうゆうtime」にて配信。さらに2024年12月。同じく主婦の友社から、初コミカライズ本『奇跡の認知症介護 マンガでわかるモンテッソーリケア』が発売された。

商業漫画家デビューを果たした深謝さんの処女作
商業漫画家デビューを果たした深謝さんの処女作