不祥事体質で維新の政党支持率は3%台

こうして“身内中の身内”からも「無理筋」という批判が相次ぐ中、あえて「都構想」を掲げて、出直し選を仕掛ける理由は一体何なのか。

「他に看板政策が乏しいことはもちろんありますが、一番は、都構想そのものというより、衆院選対策ということでしょう」

そう解説するのは、大阪を地盤とする自民党の前職議員だ。連立入りしたものの、1月のNHKの世論調査でも、維新の政党支持率は3%台と低調で、立憲民主党や国民民主党といった野党の後塵を拝している。

横山英幸市長(大阪市SNSより)
横山英幸市長(大阪市SNSより)

背景にあるのが、維新の根深い不祥事体質だ。連立入りして以降も、秘書給与還流問題や、いわゆる国保逃れ問題など、所属議員の不祥事が相次いで報道されてきた。

「党勢が低迷する中で、維新の全国政党化はもはや不可能な状況です。それでも、お膝元の大阪の議席だけは、何とか独占を死守したい。解散総選挙にあわせて、知事と市長ポストのW選も仕掛けることで、メディア露出をさらに高め、維新への“応援ムード”を高めるというのが、一番の狙いでしょう。

そもそも、馬場伸幸顧問をはじめ、維新国会議員団の主要メンバーには、党の看板になるような人が乏しい。やはり、吉村氏が前面に出てこないと盛り上がらない。露骨に政局的な動きですが、大阪における“吉村人気”は健在ですから、選挙対策としては非常に有効なのも事実です」(前出・大阪を地盤とする自民前職)

馬場伸幸顧問(本人SNSより)
馬場伸幸顧問(本人SNSより)

とはいえ、維新をめぐる今後の展望には不安材料も付きまとう。維新は、自民党との連立合意政策にもある「議員定数削減法案」を重要視している。しかし、野党の反発はもちろん、自民党内からも「合理性のない、稚拙な案だ」との批判が根強く、臨時国会での成立は断念せざるを得なかった。

「議員定数削減法案をはじめ、維新との連立合意政策の中には、実現不可能とみられるものが少なくなく、今後もハレーションは起きてくるだろう。選挙制度改革の議論をめぐっても、自民党内には、維新案よりも、中選挙区連記制を掲げる国民民主案に賛同する声が多かったりもします」(自民党衆院ベテラン議員)