元防衛相「米政権によるベネズエラ侵攻は『力による現状変更』そのもの」

その米国によるベネズエラ攻撃も国際的に問題となっている。米軍が、ベネズエラで作戦を展開し、マドゥロ大統領を拘束した。国連のグテーレス事務総長は「アメリカの軍事行動は地域に深刻な影響を与える可能性がある」と憂慮する声明を発表。国際社会では、米国の行動は、国連憲章や国際法に違反しているとも指摘されている。

拘束されたマドゥロ大統領(写真/Shutterstock)
拘束されたマドゥロ大統領(写真/Shutterstock)

自民党の小野寺五典元防衛相は1月4日に自身のXで「米政権によるベネズエラ侵攻は『力による現状変更』そのもので、中露を非難する論拠に矛盾します。仮に中国が台湾に対して力による現状変更を試みた場合、米国が強く対抗してもトランプ政権では国際世論をまとめるのは難しく、ますます東アジアが不安定化する懸念があります」と非難した。

まさしく、台湾有事のような「力による現状変更」が行なわれた時に、米国は中国を批判できなくなるという指摘だ。

しかし、高市総理の反応は鈍いままだ。

高市総理は1月5日の年頭記者会見で、「我が国は、従来から、自由、民主主義、法の支配といった基本的価値や原則を尊重してきた」と発言したものの、米国の軍事作戦についての評価は避けている。

高市早苗総理(首相官邸Xより)
高市早苗総理(首相官邸Xより)

こうした総理の言動について、自民党幹部の一人は筆者の取材に対して、「米国の行動は誰がみても褒められる話ではないが、日本が先陣をきって対応すべき話ではないのも事実。世界情勢をみながら、当面は様子見するしかないのではないか」と語った。

自民党中堅議員も「事実上、何も反応してない。事実関係や真相が整理できていないという部分もある」とみる。米国への配慮から、しばらくは慎重な発言を積み重ねるしかないのだろう。