「すごいですね、挑発が」斎藤知事の答弁に荒れた会見

「記者の個人的見解という言い方は失礼です。なんでもかんでも『個人の意見』にすればいくらでも逃げられてしまう。令和8年はこういった正面から答えない形ではなくなることを願います」

12月23日の年内最後の知事定例会見で地元民放記者は知事の答弁姿勢を批判し、改めるよう求めた。斎藤知事が追及を受けることになった直接の引き金は牡蠣に絡む県の事業だ。

「牡蠣の水揚げ量が全国4位の兵庫県でも原因不明の牡蠣の大量死が起きています。そこで兵庫県は『播磨灘の牡蠣応援プロジェクト』と銘打ち12月から寄付を呼び掛けています。ところが、この事業で集めたカネは“観光コンテンツの磨き上げ”に使うとしており、牡蠣生産業者支援には使われません。

牡蠣の不漁をダシにしたカネ集めとの批判が噴出し、この記者も『牡蠣業者どころか地元にすらほとんどお金が落ちない制度ではないのか』との疑問をぶつけました。すると斎藤知事は『記者さんの個人的な見解としては承っておきます』と応じたのです」(県関係者)

2025年6月4日、記者会見に臨む斎藤元彦知事 撮影/集英社オンライン
2025年6月4日、記者会見に臨む斎藤元彦知事 撮影/集英社オンライン
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冒頭の記者の発言はこの答えを受けて返されたものだ。記者はこの苦言を最後に質問を終えようとした。ところが斎藤知事は黙らず、再度「個人的な見解として承っておきます」と返したのだ。これには記者も我慢できなくなったのか「すごいですね、挑発が」と即座に返した。

結局、県はこのプロジェクトを呼びかけるページに23日夜までに「本寄付金は生産者に直接支払われるものではなく、県の観光施策に対してご協力をいただくものです。なお、生産者については、別途予算措置をしています」 と追記する事態となっている。