死者への名誉棄損容疑の立件は異例「それだけ悪質だ」

県警によると立花容疑者は昨年12月、立候補していた大阪府泉大津市長選の街頭演説で、名誉を傷つける目的で竹内さんが「警察の取り調べを受けている」と発言した疑いがある。

さらに、竹内さんの自死が報じられた直後の今年1月19、20日にも竹内さんが「逮捕される予定だった」とSNSに投稿するなどしたことも逮捕容疑になった。

いずれの容疑もことし6月に竹内さんの妻が刑事告訴していた。

地元記者は「遺族側弁護士は県警と協議をした上で告訴しており、立件される公算は高いとみられていました。それでも名誉棄損での逮捕も死者への名誉棄損容疑の立件も異例で、それだけ悪質だとみているようです」と話す。

7月3日、参院選兵庫県選挙区に立候補し神戸市内で第一声演説を行なう立花孝志容疑者(撮影・集英社オンライン)
7月3日、参院選兵庫県選挙区に立候補し神戸市内で第一声演説を行なう立花孝志容疑者(撮影・集英社オンライン)
すべての画像を見る

最近も市長が失職した静岡県伊東市長選に出馬すると宣言し意気軒高だった立花容疑者は一転して絶体絶命の状況になった。社会部記者が解説する。

「立花容疑者は2019年に、NHK受信料徴収員が持つ業務端末に記録された受信契約に絡む情報を不法に撮影しNHKに『個人情報を拡散する』などと伝えたとして、威力業務妨害罪などで起訴されています。

ほかにも党を離れた地方議員を『徹底的に人生潰しに行く』と脅迫したとの脅迫罪でも起訴されました。結果、2023年3月、上告審で懲役2年6か月、執行猶予4年の有罪判決が確定しました。

この判決からまだ4年経っておらず、今回の事件で立花氏が有罪になれば、前回の懲役期間に今回科せられる懲役期間が加えられた実刑となりそうです。

自民党は今回の政局で、参議院の数合わせのためNHK党の議員と会派を組み、地元兵庫の自民党組織からも批判の声が出ていましたが、党首逮捕に自民党本部がどう対応するかも注目されます」(社会部記者)

今回兵庫県警は立花容疑者の認否を明らかにしていない。供述が影響を与える共犯者がいない事件で目を引く対応だが、知事選絡みで立花容疑者の捜査対象が拡大した際に“登場”してくる人物らに捜査状況を悟らせないための措置とみられる。