NHK沖縄を退社した翌日に自費出版の写真集を発売

そんな貴重な体験をする中で、苦い思い出もある。それが「沖縄のパイナップルアナ」と書かれた週刊誌報道だった。

当時、竹中さんに直撃した記者は「出社前の竹中さんに声をかけました。突然のことで驚いたと思いますが、かなり動揺されていました」と言う。竹中さんも「怖い思い出です」と振り返る。

グラビア撮影に挑む竹中知華アナウンサー
グラビア撮影に挑む竹中知華アナウンサー

「その記者さんの直撃取材よりも前に、視聴者の方から『胸が気になってニュースが耳に入ってこない』などのご意見はいただいていました。出社して取材を受けたことを上司に伝えると『とりあえず今日は帰ろう』と私を車で送ってくれて、1週間、家にいました。

上司は視聴者からの言いにくいご意見も私に伝えないといけないし、視聴者にとっても見たくもない胸という情報が目に飛び込んでくるし、かといって私自身も悪くないし。誰も悪くないのにこういう事態になることに複雑な思いを抱えていました」

そんな中で、自分らしく生きていきたいと「フリーで生きていこう」と決断。NHK沖縄を退社した翌日に自費出版の写真集を出すことになった。

グラビア撮影に挑む竹中知華アナウンサー
グラビア撮影に挑む竹中知華アナウンサー
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「さすがに週プレさんのグラビアみたいな水着にはなりませんでしたが、部屋着のようなラフな格好で私の素の感じを撮影していただきました。

『胸の人でしょ』とか『それで退社したんでしょ』ってイメージを払拭したかったし、胸のことをコンプレックスにしたくない思いもありました」

その後、ラジオ沖縄に入社してからは、より地域密着の取材活動を番組で流すように。

「親族がお墓の前でご馳走を食べながら親睦を深める『清明祭(シーミー)』という、沖縄県民にはお馴染みの風習に参加させていただいたり、より地域に密着した取材をさせていただき、その様子を番組で流したりしています」

来年1月19日で44歳になる竹中さん。なんとデジタル写真集の第二弾も準備中だという。

「前回の写真集で女性からは『同世代として勇気をもらった』と言っていただきました。私のこのデジタル写真集への挑戦が、女性だけでなく男性にとっても『何か新しいことを始めるのに年齢は関係ない』という勇気を得るきっかけになったらと思います」

かつて胸が大きく見えないようにと隠していた竹中さんは、43歳の今まさに、胸を張って生きている。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班