長髪にサングラスでもOK

佐久長聖は「丸刈り」のイメージが強いかもしれませんが、髪の毛については私の方からは特に指示は出していません。選手たちに任せています。でも試合前にいきなり「五厘刈り」にしてくる選手もいるんです。気合を入れる意味を込めて、というのはわかるんですが、個人的にはやめてほしいんですよ。私が強制しているように思われてしまうので……。

選手たちが髪を伸ばすようになったのは吉岡大翔が3年、永原颯磨が2年だった2022年のインターハイからです。それまでも髪型を強制していたわけではありませんが、自覚と責任を持ってやりなさい、と〝長髪〟を許可しました。過去に髪の毛の長い選手はいなかったので、永原のサラサラヘアを見て、佐久長聖は丸刈りじゃないんだ、と驚いた方がいたかもしれません。

全国高校駅伝で連覇した昨年と一昨年は髪を伸ばしている選手が多かったと思いますが、今年はなぜか丸刈りが多いですね。

佐久長聖高校駅伝部の練習風景(写真/西邑泰和)
佐久長聖高校駅伝部の練習風景(写真/西邑泰和)
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去年のインターハイは佐々木哲がサングラスをつけて出場しました。自分の思い込みかもしれないですけど、今年のインターハイはサングラスをかけている子がたくさんいたんです。それまでは本当にいなかったので、〝佐々木哲効果〟かもしれません。

サングラスの機能と効果については数年前にメーカーの方から講習会をしていただいたことがあります。でも、子どもたちはサングラスに抵抗感があったみたいで、つけることはありませんでした。

サングラスは紫外線から目を保護するだけでなく、疲労軽減に役立ち、集中力を増す効果も期待できます。以前から私は選手たちに勧めていたんですけど、エースの濵口大和と佐々木がつけるようになって、他の子たちもつけるようになりました。

時代の流れと言ったら大袈裟かもしれませんが、良いものは取り入れた方が絶対にいい。逆に新たなものを採用していかないと時代に置いていかれると思っています。

寮には酸素カプセルもあります。2017年の全国高校駅伝で優勝して、学校に購入してもらいました。高校で酸素カプセルを持っているチームはほとんどないと思います。基本的には空いていれば使っていいかたちにしているので、希望者が多いときは、子どもたちで相談して使う順番を決めているみたいです。治療日には結構活用していますね。

文/高見澤勝 サムネイル写真/佐久長聖高校駅伝部

『佐久長聖はなぜ強いのか?「人」を育てチーム力を上げる指導メソッド』(竹書房)
高見澤勝
『佐久長聖はなぜ強いのか?「人」を育てチーム力を上げる指導メソッド』(竹書房)
2025年12月10日
1,870円(税込)
200ページ
ISBN: 978-4801947481

“日本一厳しい”環境で育まれた“人間力”を武器に
2023年&2024年 全国高校駅伝2連覇を成し遂げた
佐久長聖の“駅伝力”の神髄に迫る!?

「佐久長聖はなぜ強いのか?」とよく聞かれます。
全国から有望な選手が集まってくるわけでもなく、
ハイレベルな練習をしているわけでもありません。
ただ「強い」のは決して偶然ではなく、明確な理由があると思っています。

箱根駅伝に出場したOB選手が59人。全国トップクラスの実績を誇り、これまで村澤明伸、大迫傑、鈴木芽吹、關颯人、上田瑠偉、名取燎太、中谷雄飛、吉岡大翔、永原颯磨、山口竣平…多くの名ランナーを輩出してきた佐久長聖の秘密に迫る1冊。

第1章    競技人生のスタート
両角先生との出会い
佐久長聖の礎となったクロカンコース
全国高校駅伝の優勝を意識して

第2章 大学・実業団時代の苦しみ
箱根駅伝に潜んでいた魔物
高見澤、お前はマラソンだ!
4年目にしてマラソンに到達

第3章 指導者としての喜びと苦悩
母校で指導者のキャリアがスタート
全国高校駅伝で悲願の初優勝
ワースト記録からの出発

第4章 全国高校駅伝で勝てるようになった理由
9年ぶりの〝日本一〟直前に両角先生から電話
日本高校最高記録の奪回に成功
ライバル校をアンカー勝負で下して連覇を達成

第5章 高校卒業後も活躍する選手たちのエピソード
村澤明伸ら初優勝メンバーたちの素顔
「1番」のこだわりが強烈だった大迫傑
花の1区を制したエースたち

第6章 佐久長聖の強化プログラム
3年間の育成プログラム
夏の「合同合宿」がチームを強くする
全国高校駅伝の〝勝利のセオリー〟

第7章 最強チームのマネジメント術
知られざる寮生活のおきて
日々の生活が選手を強くする

高校時代は選手たちにとって「土台作り」の場。
その先の大学、社会人を見据え、
世界を舞台に活躍できる選手を育てたい。

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