実は…「私自身が“体現化”した動きなんです」

「江戸走り」とはいうものの、江戸時代の人々が実際にこのような走りをしていたかどうかは定かではない。「江戸走り」は大場さんが2014年から国会図書館で、さまざまな文献を見て実際の動きで再現する研究を続けた結果、独自に考案したものだ。

「当時の映像などはないですからね。浮世絵などに天秤棒を担いだ商人がこのような走り方をしている様が描かれているのを見たり、飛脚や忍者の歩きや走り方を研究し体の機能を考えたりした結果、私自身が“体現化”した動きなんです。100kmのマラソン大会を膝の痛みに耐えきれず途中棄権した私自身の苦い体験から、膝や体に負担をかけずに長く、そして速く走れる方法をと考え、この動きが生まれました」

大場克則さん(写真/本人SNSより)
大場克則さん(写真/本人SNSより)
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いま、「江戸走り」として流行っているのは実は応用編の片半身の走り方だ。今年10月5日に投稿したショート動画がバズり、1739万回再生になったのだという。

「Instagramは2017年からコツコツ投稿してましたけど、去年夏に『これからはショート動画』だと仲間から聞き、江戸の歩き方の本来の方法である『腰を前に傾かせて膝を曲げ、つま先立ちになり、かかとで着地しない』歩行や走行動画を投稿したら、なぜか去年12月14日にバーンと伸びて。

そして今年10月5日に横向きで走る応用編を投稿したら、再生回数が数百、数千万回と伸びました。この片半身の走り方は、くまモンまで真似をしてくれました。すると本家のこちらの再生回数も伸びる状況です」

くまモン(公式Xより)
くまモン(公式Xより)

誰かのダンスや動きを真似することがブームの発端にもなるSNS。特に今回はモデルやタレントなどの女性が真似をしたのも大きかったかもしれない。自身のInstagramに江戸走り動画を投稿したモデルでライバーの白石理桜さんは言う。

「指原莉乃さんがプロデュースした『=LOVE(通称イコラブ)』の大谷映美里ちゃんが今年の8周年ツアーのライブ中に移動シーンで『江戸走り』してたんです。それがめっちゃ可愛くて。指原さんとのインスタライブでもふたりが『朝までやろうよ! 江戸走り』って言って『江戸走り界隈』って言葉まで生まれてたので、いつか私も真似したいと思いました」

モデルでライバーの白石理桜さん
モデルでライバーの白石理桜さん

白石さんは縦型ショートドラマに複数出演しているが、シリアスな役どころが多いことから「ちょっとイメチェンしたかった」ということで、Instagramのショート動画で江戸走りする姿を投稿したのだという。

「ちょうど公園に紅葉を見に行った時に、ここで江戸走りしたら面白いかなって思って、江戸走りするショート動画を投稿しました。普段はこんな風におちゃらけたりもするんだよってことを皆さんにお伝えしたかったんです」

江戸走りをする白石さん
江戸走りをする白石さん