知られざる寮生活の掟
選手たちは駅伝部専用の寮で生活しています。私がコーチとして寮監を務めていたときのルールは今よりもかなり厳しかったと思います。当時の選手によると、以下のことが禁止されていたようです。
〇携帯電話(電話をかけるときは寮の公衆電話)
〇テレビ(食事時に10分ほど観られる場合がある)
〇ゲーム
〇漫画
〇私服(外出時は制服かチームジャージ)
〇自転車(治療院に行くときのみ貸出あり)
毎年、子どもたちが入れ替わるので、寮内のルールは生徒たち自身が決めており、私は完全に把握しているわけではありません。私の方から提示しているルールは、「不要物を持ち込まない」くらいでしょうか。掟ではないですけど、私がよく言うのは「時間を守りなさい」と「整理整頓をしっかりしなさい」という基本的なことばかりです。
子どもたちが寮内にいるかは、ネームプレートの色で判断します。寮内にいるときは白で、外出時は赤にするのがルールになっています。しかし、時々、プレートの返し忘れがあるんです。ある年は「返し忘れが2回あったら外出禁止」でしたし、「何回やったら退部」という年もありました。選手たちがルールを作り、子どもたちの都合でやっているので、ルールを守らないわけにはいきません。
近年でいうと、スマートフォンの使用は徹底しています。スマホは消灯前に事務室で預かり、授業と練習(部活動)が終わって、寮に戻ってきたら返却します。その後は消灯時間まで使用できます。基本、学校に持ち込まないようにさせています。ただ今は学校が生徒全員にタブレットを持たせているため、それにLINEのアプリなどをインストールして使っている選手もいるようです。
寮監は学校の職員が務めているので、私の方からは、「寮の先生に迷惑をかけるなよ」ということは常に伝えています。寮生活でこちらから課していることは少ないですし、さほど私は気にしていません。寮にはほぼ毎日顔を出していますが、ずっといるわけでもないですし、チェックはあまり入れないようにしています。
寮生活は鍛える場であり、子どもたちが練習の準備をする場である一方で、プライベートの空間です。ガチガチに固めてしまうと、ストレスがかかってしまいます。リラックスするタイミングは必要ですし、ある程度の決まりごとの範囲内で子どもたちのやりたいようにやるのがいいかなと思っています。
とにかく、私が「こうしなさい」とうよりも子どもたちが「こうありたい」というものを大事にしたいんです。そして自分たちが決めたルールであれば、自分たちで責任を持ってできるはずです。ある意味厳しいかもしれませんが、「自分たちが決めた以上、言い訳はできないよ」という話もしています。













