バラエティー番組はお金を払って見る時代に
つまり地上波は、「視聴者が常に集中しなくても観られる番組設計」を徹底している。これは、芸人の濃度に全振りしたネット配信とは対極の価値だ。
こうして並べてみると、2025年の年末ほど“芸人の濃度で住み分けが明確になった”年はない。地上波は“みんなで観る笑い”。配信は“濃度で殴る笑い”。濃い笑いを求める視聴者が有料配信へ流れ、各配信サービスはその期待に応えて芸人の本能をむき出しにできる場を広げていく。
これは単なる嗜好の問題ではなく、“タイパの時代”の価値観とも噛み合っている。限られた時間をどう使うかが問われるいま、“お金を払ってでも、濃い1本をしっかり観たい”という視聴行動が確実に増えているのではないだろうか。
『DOWNTOWN+』の会員数が50万人を突破したいま、もはやバラエティーは無料で見るものではなくなってきている。来年、日本のバラエティーはさらなる変貌を遂げていくだろう。
文/ライター神山


















