3時の「おやつ」にも由来がちゃんとあった
「3時のおやつ」は、江戸時代の和時計に由来します。当時は1日を2時間ごとに区切り、午後2時頃は「八つ時」と呼ばれていました。人々は1日2食だったため、小腹が空くこの時間に軽食を摂る習慣が生まれ、焼き芋や団子、果物など素朴なおやつを楽しんでいました。
また、子どもに人気だった屋台スイーツは、麦芽糖から作った「水飴」だったという記録が残っています。「おやつ」は、「お+やつ(八つ)」が語源。
明治以降、西洋式の時間制度が導入され、「八つ時=午後2時」が「3時のおやつ」として定着しました。それは単なる間食ではなく、「甘いもので、ほっと一息つく」──そんな日本人の心を映す、大切なひとときなのです。
時代が令和へと移り変わっても、「おやつの時間」に込められた想いは同じです。それは〝ちょっと一息つく〞という、心と体へのご褒美の時間。現代では「スイーツタイム」と呼ばれる午後のおやつですが、そのルーツが太陽の動きとともに暮らした和時計文化にあると思うと、なんとも風情を感じます。
おやつは単なる空腹しのぎではなく、人が集い会話を楽しむ時間でもありました。縁側でお茶と菓子を分け合う光景は、江戸から昭和初期にかけて各地で見られ、「一緒に食べる」ことが人と人の距離を縮めてきたのです。
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現代においてもおやつは間食にとどまらず、「気分転換」や「心の切り替え」の時間として重要な役割を担っています。午後にチョコを一粒、家事の合間にクッキーを一枚。それだけで心が軽くなり、「もうひと頑張りしよう!」という気持ちが生まれるのです。
おやつは、時間に追われる人ほど大切にすべき〝心の栄養〟といえるでしょう。
教養としてのお菓子: ビジネス、マナー、手土産、社交の場に必須。世界のエリートも身に付けている。
宮本二美代
2025/10/30
1,650円(税込)
344ページ
ISBN: 978-4054070707
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ビジネスシーンや社交の場で、一目置かれる人がひそかに実践する「コミュニケーションのためのお菓子の話」を1冊に。
お菓子の知識・活用方法・食習慣・食べ方などを伝える実践的な書。
20か国で2万個のスイーツに出会った「ル・コルドン・ブルー」パリ校卒の製菓衛生師による初の著書。
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人間関係を良好にする、その場を盛り上げる、楽しく食べて心を満たす・リラックスをするなど、お菓子の効果は様々で計り知れない。
お菓子をはじめ、古今東西のフード業界30年以上の経験を持つ著者が、知見を総動員して1冊にまとめた。
著者はお菓子の本場・フランスから帰国後は、専門学校・カルチャースクール、企業イベントなどで製菓・ラッピング講師として活動。指導した生徒様は1万人以上。
著者のたくさんの生徒様が「お菓子」をきっかけに、人生が好転していく様子を多数見てきて、「お菓子」は、幸せな人生への活力剤のような役目ができると、お菓子の活用方法を広めている。
また、自身が体調を崩したことをきっかけに、食べること、健康、素材、精神面に関する文献や多数の先生から学んだが、それはお菓子でも実践してきた。
お菓子の選び方、食べ物が心と身体に与える大切さを実感し、美味しく正しく食べて、健康になる方法も伝授している。
そこで、お菓子が「不健康」「太る」といった誤解を解く話も掲載。
正しく食べることで、それは防げる。カロリーは太ることに必ずしも直結しない。
むしろ、「低糖質」「カロリーオフ」こそ危険であることも多い。
★☆章立ては次の通り☆★
【第1章】お菓子がビジネス・社交の場でどんな効果をもたらすか
【第2章】喜ばれるお菓子、基本のキとは?
【第3章】関係性によるお菓子の選び方 ?シーン別お菓子のセレクト術
【第4章】会話でもすぐに使える!知っておくと役立つお菓子のエピソード
【第5章】世界と日本のお菓子の歴史と文化
【第6章】心とカラダを整えるお菓子の知られざるパワー ?お菓子を食べて健康になるって本当!? 体を守る食べ方革命
【第7章】お菓子の科学的活用法“甘い一口”に秘められた科学の力 ~エネルギー・感情・記憶を動かすお菓子の有効利用
【第8章】生活習慣や環境を味方につける