“しんいちマインド”が、今の社会に1番必要なのかもしれない
クズ芸人キャラが話題のお見送り芸人しんいち。そんな彼が「嫌われ者」の哲学を書籍『嫌われ者って金になる!』(徳間書店)に込めたのはなぜだろうか。好感度狙いとは真逆を行くその理由には、人生を生きやすくするヒントが隠れているのかもしれない。
――まず、この本を出版することになった経緯を教えてください。
お見送り芸人しんいち(以下、同) これはもう出そうと企画した徳間書店さんがおかしいんですよ(笑)。「しんいちさんってなんでこんなに嫌われてて、好感度も低いのに笑顔でいられるんですか?」って失礼なことを言ってきましてですね。
――すでに面白いエピソードですね。
「普通に立ってるだけですよ!」とツッコんだら、今って芸能界だけじゃなく、下を向いて暗くなってる人が多いから「ひょっとしたら社会で1番必要なのはしんいちさんのメンタルなのかもしれない…」と、とても大切なことに、いち早く気がついてくれまして。こんな僕で良いならぜひ本を作りましょう! という流れです。
――たしかに、この本を読んでいると、あまりに痛快で自分の悩みが馬鹿馬鹿しくなるというか、小さなことで悩んでいたのかもしれないと思える不思議な魔力がありました。しんいちさん自身は今、悩みごとはないのでしょうか?
僕でも数個はありますよ。悩みがゼロになる人間なんていない。ただ悩みを抱え込んでしまうことで、楽しいことも楽しくなくなるのはちゃうんじゃない? みたいなのが、この本で伝わればいいなと思いますね。
職場とか学校も絶対楽しい方がいいし。今抱えてる悩み「ちょっとタンスにしまわん?」みたいな。「家帰ったらワンちゃんいるし」とか「推しの動画見よう」とか「宝くじで1万円当たった」とか。「他の人より私幸せやで」って絶対思った方が楽やでっていうことに気づいてほしい。僕はプライドもありませんし。
――しんいちさんはプライドが全くないということですか?
はい! プライドなんて捨ててしまって、自分をめっちゃ下に見積もって、「自分ってほんまに何にもない人間で、才能ない人間や」って思い続けたら、めっちゃ楽ですよ。もうほんとすっからかんな人間で全然いい。
というか逆に「そんな大した人間おる?」とも思っちゃいます。自分ならできる、自分はこうあるべきって自分自身を上に見積もりすぎてる人が多くない? って思いますね。













