「倫理観」と「価値観」は分けて考えよう
念のため補足しますが、僕は、命ほど大切なものはないと思っていますし、子供を傷つけるなんて論外だと考えています。
ただ同時に、その価値観が社会に規定されたものであることも忘れてはいけないということを、僕は伝えたいんです。ある価値観が存在する事実を「認める」ことと、その価値観を「絶対的な善と考える」ことは、区別しないといけません。
悩みや苦しみは特定の価値観から生まれていますから、価値観や「当たり前」に絶対はないことを知ると、悩みから解放されて楽になるはず。それが、僕が『歴史思考』を書いた狙いです。
一方で、価値観に絶対がないということは、あなたが否定したい価値観も認めなければいけないということでもあります。それはつらいですよね。社会にとって危険だと考える人もいるでしょう。それに特定の価値観は人にモチベーションをもたらすことだってあります。
このジレンマをどう解決すべきでしょうか? その答えを探して、本書で僕と一緒に歴史を見ていきましょう。
#1 なぜ男性間セックスは特殊で否定的なイメージになったのか?