存在価値が揺らぐ「ガキの使い」

だがしかしその瞬間、「ガキ使」の存在が揺らぐことになる。二人が初めて揃う場所がDOWNTOWN+になった時点で、松本不在のまま続いてきた「ガキ使」の立ち位置が完全に宙に浮くからだ。

『ダウンタウンDX』が終わり、『酒のツマミになる話』が終わり、地上波で松本が戻る可能性として最有力だったのは「ガキ使」だった。しかしDOWNTOWN+が“松本の新たなガキ使”として機能し始めたことで、その未来図が一気に変わってしまった。

松本の創作の場が『DOWNTOWN+』へ、浜田との共演がそこに加わったとき――「ガキ使」の役割とは何なのか。「ガキ使」は、松本が“お笑いの実験”を続けるための唯一の地上波だった。しかし今、その実験場がオンラインへ移行しつつある。

松本人志の活動場所がテレビからネットへ(画像/ Shutterstock)
松本人志の活動場所がテレビからネットへ(画像/ Shutterstock)
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「戦隊シリーズ」が終わり、「アッコにおまかせ」が終わり、「酒のツマミになる話」が終わる中で、「ガキ使」が終わらない理由とはなんなのか。それは、テレビと松本人志をつなぐ、最後の絆なのかもしれない。

文/ライター神山