次あったら終わりかも…
環境省によると、2023年度はクマのエサであるブナの実(どんぐり)の凶作が東北5県(青森・岩手・秋田・宮城・山形)で目立ったことなどが原因で、住宅街でクマの出没が相次いだとしている。
毎日のように人の生活圏内でクマの目撃情報があり、人的被害数は2006年の統計開始以降でもっとも多く、その年度の死傷者数は219人だった。
そして2025年は10月末時点で196人を超えた。23年度と同様に、ブナの実の大凶作が予測されており、今年も被害が多発している。
クマは1歳半ほどで親離れすると言われており、被害が多発した23年の母グマから行動を学んだクマが暴れ回っているという見方が強い。
なかでも、クマがこれまで苦手としていた爆竹や車のクラクションの音によるクマ対策はすでに効果が薄くなっているとされている。
これまでのクマ対策の有効性も危ういなか、前出の80代男性は「もう高齢だし、ほかの場所に引っ越す余裕もない」と肩を落とす。
「もしいまクマに遭遇したら、逃げるところがあればすぐ移動するけど、もう正直どうしようもないよね。俺以外に襲われた人たちも高齢者が多く、頭を抱えるなどの防御姿勢をとることは無理だったよ」
環境省は、クマと出くわして襲われたときには、「後頭部で手を抱えてうつ伏せになり防御姿勢を取ることで、致命傷になるリスクを下げられます。クマが襲ってきてひっくり返そうとしても、絶対にうつ伏せの状態を解除してはダメです」と推奨しているが、そもそもクマのチカラに抵抗できるのか。
男性は「生活する以上、外に出ないわけにはいかないから。もう諦めるしかない」と肩を落とした。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













