畑でクマに襲われた女性は前頭部を14針縫うケガを…
2025年9月26日午後4時15分ごろ、秋田県北秋田市の北西部にある山の中の住宅街で「80代女性がうずくまっている」と通行人から119番通報があった。女性は当時、頭から血を流しており、「クマに襲われた」と話していた。
80代女性が当時の様子をこう振り返った。
「自宅裏の畑で農作業をしていたら、急に視界が暗くなった。太陽が雲に隠れたのかなと思って顔を上げると、体長1メートルのクマが目の前にいたんです。威嚇用で音だけ鳴るピストルを持っていたから、必死に数発撃った。そしたらクマが別の畑に行って、その時に頭から痛みを感じたのさ。
頭にかぶっていた手ぬぐいをとってみると血だらけで、血がドバドバと流れて上着も一気に赤く染まってしまった。痛みがジワジワと出てきて、『あ、引っかかれたんだな』とわかったわけ。まだクマが近くにいるから、逃げなくちゃと必死に逃げて、通りすがった人に119番してもらったんだわ」
女性の頭には2〜3本の爪のようなもので引っかかれた傷ができていたという。119番通報を受け、救急隊が現場に駆けつけたあと、女性は北秋田市内の病院に搬送。その後、救急ヘリコプターで秋田市にある救命救急センターに運ばれた。
女性は前頭部を14針縫うことになり、約1週間後に退院した。クマの出没が相次ぐことから、朝方や夕方から夜にかけては「息子と極力一緒に外へ出ることにしている」と話す。
「8月下旬にも夕方4時ごろ、近くに住む60代の男性がここから5キロ先に行ったところで、ランニング中にクマに襲われているんだわ。目の下から首まで強く引っかかれて重傷だったらしく。気をつけてなと言われていたけど、まさか自分が被害に遭うとは思わなかった」
クマなどの狩猟を生業としてきたマタギ文化が残る北秋田市だが、「これまで人里に降りて人を襲うことは少なく、異常事態だ」と女性は話す。
「私らも歳だし、畑などもあるからどこかへ引っ越すことも気軽にできない。もともとクマが襲ってくる場所ではないから。どうしちゃったんだろうね。威嚇用のピストル音もそこまで効果があるとは思えなかったし、クマ対策に慣れている個体だと思う。なるべく一人で出かけない。ただそれだけ。もうすぐ冬眠に入って落ち着くと思うから、それまでは我慢です」













