立花氏に情報提供した元維新の県議
「立花容疑者が竹内さんを攻撃した動機を解明するには、知事選での立花容疑者の行動の解明は欠かせず、捜査は拡がるでしょう」と県関係者は話す。
兵庫県では、斎藤元彦知事のパワハラや公金不正支出疑惑を告発した県の元西播磨県民局長Aさん(享年60)が、県の処分を受けた後の7月に自死した。
この疑惑やAさんの処分の妥当性を調べた県議会調査特別委員会(百条委)のメンバーだった竹内さんは、独自の調査結果も駆使して解明作業にあたっており、委員会の中心的な人物だった。
この告発を背景に斎藤知事は県議会から不信任議決を受け失職。これを受け昨年10月31日に告示され11月17日に投開票された出直し知事選に立花容疑者も立候補した。
「自身は当選を目指さず斎藤知事を応援するという“2馬力選挙”の遊説で、立花容疑者が話した内容の中心が、亡くなったAさんと、知事の疑惑解明の先頭に立った竹内さんら数人の県議らへの非難でした。
『斎藤知事は何もしていないのにハメられた。竹内議員らが黒幕だ』という立花容疑者のSNSでの発信が追い風となって、当初劣勢だった斎藤知事は逆転勝ちしたと受け止められています」(県関係者)
立花容疑者はなぜ知事選で竹内さんらを攻撃する必要があったのか。それを知る上で欠かせない立花容疑者の言動を県関係者が振り返る。
「選挙戦初日の昨年10月31日夜、立花容疑者は当時百条委メンバーだった維新の増山誠県議と会いました。その場で増山県議は秘密会として行われた昨年10月25日の百条委の証人尋問を隠れて録音した音声データや、Aさんの個人情報とされる内容などが書かれた備忘録を立花氏に提供しました。
翌日の昨年11月1日夜には立花容疑者は神戸市内のホテルで、当時百条委副委員長を務めていた同じく維新の岸口実県議とも会いました。
そこで岸口県議は、竹内さんらが斎藤氏をハメた『黒幕だ』などと書いた怪文書を渡しています。この時期には維新の白井孝明県議も立花容疑者に電話を入れ情報提供を申し入れていました」(県関係者)
立花容疑者は演説で、増山・岸口両県議から受け取った怪文書などの内容に沿ってAさんや竹内さんを責め立て、怪文書の現物もSNSで公開した。
そして増山氏ら3県議から提供を受けたことを今年になって暴露。維新は増山県議を除名するなど3県議を処分し、3人は維新を離れたが県議は続けている。













