「残念ながらゴミの量はあまり変化していません」

お互いの違いを認め合いながら、よりよい社会を目指す。その意識が駅前の状況にも少しずつ映し出されているかといえば、そう簡単ではないとため息をつく。

「私たちはゴミを拾う際にすべて数えているのですが、残念ながらゴミの量はあまり変化していません。

一時期、『SmaGO(スマゴ)』というIoT対応のスマートゴミ箱(太陽光発電で稼働し、ゴミを自動圧縮する機能などがついたゴミ箱)をロータリーに設置しようと試みたことがありました。地域の町会長や住民の方を巻き込みながら署名を集め、新宿区に要望書を提出したんです。2回試みたのですが、リスクへの懸念を払拭できないために断られてしまいまして。

ロータリーは公道という扱いになるため、勝手に物を置けないんです。家庭ゴミの持ち込みや放火、テロなどを誘発する可能性もあります。ゴミ箱を置けたらいいとは思いますが、置いても問題解決に至るわけではありません」

ロータリーの外側にあふれたゴミ(写真提供/早稲田大学ロータリーの会)
ロータリーの外側にあふれたゴミ(写真提供/早稲田大学ロータリーの会)

現在は大学内の他サークルや企業など、学内外と協働しながらの清掃活動や、大学内での啓発、周辺の学校への出張授業といった活動を行なうロータリーの会。三好さんは、高田馬場駅前ロータリーのポイ捨ては「決して早大生だけの問題ではない」と訴える。

夜の高田馬場駅(写真提供/早稲田大学ロータリーの会)
夜の高田馬場駅(写真提供/早稲田大学ロータリーの会)
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「ロータリーは早大生だけではなく、社会人、周辺の大学や専門学校の学生、外国人留学生など、さまざまな方が利用しています。タバコの吸い殻の多くは、早大生がいない朝から夕方までの時間帯に捨てられています。ロータリーの会が朝清掃を行っている目の前で、社会人の方がポイ捨てをしていくことも日常茶飯事です。

ロータリーでのポイ捨ては早大生だけの問題ではありません。広く社会全体の問題として捉えていただけたらと思います」

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班