新木場エリアが放置車両と粗大ゴミだらけに
問題の場所は、都営バス「新木場三丁目」から「南千石橋」に向かう途中のエリアにある。直線で約1kmにわたるこの通りには、軽自動車やスポーツカー、バンまで、多種多様な放置車両がずらりと並んでいる。
放置された車両の状態はさまざまで、まるで駐車しているだけに見えるほど綺麗なものもあれば、スクラップ同然のものもある。中には車体全体に大きく落書きされたものも目立ち、通り全体が荒れ果てているように見える。
また、車中泊でもしていたのかと思わせる“生活感”のある車も見受けられた。ドリンクホルダーにカップが残されたままの車に、未開封のペットボトルが散乱した車……。まるで、つい最近まで誰かがいたのに、忽然と姿を消したかのような雰囲気を漂わせている。
さらに粗大ゴミが散乱している影響か、周囲には大量の虫が飛び交い、衛生環境の悪さも目立つ。ガードレールには「不法投棄監視中」と書かれた注意書きが掲げられているものの、その効果はまったく感じられない。
こうした放置車両が並ぶのは、道路の海側にあたる。一方、反対側には木材業者や運送会社、水産関連の事業所が軒を連ねている。この荒廃した状態は、いったいいつ頃から続いているのか。実際に、この地で働く人々に話を聞いてみた。
「自分がここに来たときには、すでにこんな状態でしたからね。もう10年くらいは(放置車両が)あるんじゃないかな。このあたりは業者の出入りも多いし、バスも走っている。だから、道を塞がれるのは本当に危ないんです。
事業所に出入りするトラックも、放置車両のせいで道路の端に停められず、どうしても二重駐車になってしまう。中央まで塞ぐ車も珍しくなくて、いつか事故が起きるんじゃないかとヒヤヒヤしていますよ」(40代男性)
「もう20年以上前から、こんな感じ。でもね、前はもっとズラッと並んでいたから、今はだいぶマシになったほうだよ。一度、放置車両が全部撤去されて、道が綺麗になったことがあったんだよね」(70代男性)
向かいの道路側で働く人々は、この放置車両によって少なからず迷惑をこうむっているようだ。
さらに話をきいていくと、業務への影響に加えて、行政の対応への不満も次々と飛び出してきた。