解体デモに参加するよりも大臣の言葉に耳を傾けるべき

片山大臣が「旧大蔵省出身」だということも外せない注目ポイントだ。

財務省や金融庁の幹部職は、顔や名前、大まかな年次がわかるという。あと5年遅かったら景色が違い、このタイミングで戻れたことがよかったと話した。顔なじみが多く、コミュニケーションがとりやすい環境だったことがうかがえる。

一般企業においても、「社員の意識改革を行なう」などと言って外部から招聘された経営者やコンサルタントが組織内に潜り込み、現場と折り合いがつかずに総スカンを食らうケースは少なくない。大胆な改革を行なうには、現場目線でコミュニケーションがとれ、信頼を獲得できるかどうかが重要なのだ。

評論家や批評家は実務家と衝突するのが世の常だが、片山大臣の今後の実務には期待ができる。

片山大臣は財務省の仕事の究極の目的を「夢や期待が残る国にならなくてはいけない」と話した。この思いは、財務省の解体デモを起こしている人たちと同じはずだ。10月25日にもデモが行なわれていたが、今後の大臣の動向を注視するべき転機だと感じる。

テニスに興じる学生時代の片山大臣(片山さつき公式HPより)
テニスに興じる学生時代の片山大臣(片山さつき公式HPより)
すべての画像を見る

取材・文/不破聡