「副校長・教頭の過労死につながる恐れもある」
OECDで加盟国等55か国・地域の中で勤務時間が最長を記録した日本の学校教員。校長の補佐役である「副校長・教頭」は特に激務と言われている。全国公立学校教頭会の調査によれば、深刻な教員不足のなかで副校長・教頭が担任の代替となるケースも多く、1日の勤務時間が11時間を超える割合が75%を超えているという。
都内の公立小学校でPTA会長を務める40代の父親は、その多忙ぶりを目の当たりにしていると話す。
「うちの学校の副校長を見ていて、本当に大変そうだなと思います。モンペ(モンスターペアレント)の保護者対応や地域との交流に加えて、教員が休んだときに代理で授業を行なうのも、外部の業者さんが来たときも副校長が対応しています」
学校教育法では、副校長の職務は「校長を助け、命を受けて校務をつかさどる」、教頭は「校長(副校長を置く小学校にあっては、校長及び副校長)を助け、校務を整理し、及び必要に応じ児童の教育をつかさどる」とされている。
全国公立学校教頭会の稲積会長と井部事務局長は、副校長と教頭について次のように説明する。
「教頭は『原則必置』、副校長は『任意設置』とされています。学校によっては校長、副校長、教頭がいるところもあり、自治体によっては教頭職をなくして副校長と呼び替えているところもあります」
その業務は「教育委員会からの調査の対応」「対外的な窓口業務」「児童生徒の対応」など多岐にわたり、「管理的な業務が目に見えて大変なのか、『副校長・教頭になりたくない』という人はいます」と稲積会長らは話す。













