昨年11月のエジプト出張費は1200万円 

小池都知事の学歴詐称疑惑から都政にはどのような影響が出ているのだろうか。

「今回の合意書に先駆けて小池都知事は昨年11月にエジプトに出張していますが、その費用は1200万円です。さらにその出張で、カイロでアティ外務・移民大臣と会談しており、これも移住政策との関連を疑わせる一因になっています。

合意書に関して都は『何人程度の流入があるかは現段階では想定していない』『合意書はあくまで日本の就労環境や産業環境、関連制度、統計データなどの情報提供をはじめ情報交換の枠組みだ』と説明をしていますが、エジプトの労働者が日本で働くために支援しますよという実質的移民の受け入れととられても当然の状態なのです。

小池都知事は『移民を促進するものではない』と言っていますが、労働者とその帯同家族など含めれば加速度的に流入するであろうことは目に見えていますし、その社会保険、福祉などの財源はどうするのかをまったく想定されていないという問題もあります。これらが小池都知事の“学歴”の保証との関連が“ない”と言い切れるのでしょうか」

エジプトのカイロ市(写真/Shutterstock)
エジプトのカイロ市(写真/Shutterstock)

これが仮に本当に小池都知事の学歴の保証のために行なわれているのならば、決して“都民ファースト”の都政とは言えない。

さらに上田都議は学歴詐称疑惑についてもこう続ける。

「今回デモが起こったり、ネットで大騒ぎになっているのはやはり伊東市長の学歴詐称を連日、大手メディアが追っかけているのに『小池都知事のことは何でやらないんだ』『何で小池都知事は守られるの?』というのはあると思いますよ。

学歴詐称疑惑に対して大きな憤りや不快感があるのは伊東市民だけではなく、都民も同じだと思います。それは私も含めてそう思います。嘘をつくというのは首長としてはあってはならない事ですよね。

ただ、今回は小池都知事も平気な顔して押し切ってやろうという様子ではないです。記者会見で目が泳いだりしていますし、所信表明の際にもエジプト合意書の件については、デモなどもあり空気を読んで一切触れていませんでした。本来はエジプト政府にむけて『ワタクシちゃんと便宜図ってますよ!』ってアピールしたかったはずですから」

カイロ大学留学時代の小池百合子氏(小池ゆりこofficial websiteより)
カイロ大学留学時代の小池百合子氏(小池ゆりこofficial websiteより)
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伊東も東京都も首長の疑惑が晴れる日はくるのだろうか。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班