「やってない」10年付き合った結婚間近の婚約者がいた  

30日、藤井容疑者が代表を務める「ELTE」に向かうと、従業員たちが深刻な顔でミーティングをしていた。その中の男性従業員の一人に話を聞いた。

「僕は29日に藤井代表の弁護士から電話があり、『代表が逮捕された』『今日以降、時間のある時に面会に来てほしい』という伝言を受け、まったくなんのことかわからなかったし、驚きました。今日はたまたま定休日ということもあって、先ほどまさに原宿署に藤井代表に面会してきたところです。代表は憔悴しきった顔でしたが、『やってない』とはっきりと言いました」

女性による被害届が出ているにもかかわらず、「やってない」と断言するとはどういうことなのか。従業員は続ける。

「代表は『何のことかまったくわからない状態だ』とも言っていました。面会時間は10分ほどだったので、今回の事件のことよりも今後のことを話さなければいけないと思いました。明日以降も代表はお客様の予約で埋まっているので、その対応などの業務連絡をするのがやっとでした」

では、この男性従業員は代表の「やってない」という言葉をどう受け止めたのか。

「僕は実は数ヶ月前から代表に誘われる形でこちらの店で働くようになりました。代表とは何時間も濃密に話し合い、その仕事への強いこだわり、意識の高さを目の当たりにしてきたので、その言葉を信じるしかない、というより100%信じています」

藤井容疑者の経営する「ELTE」(撮影/集英社オンライン)
藤井容疑者の経営する「ELTE」(撮影/集英社オンライン)

トイレに連れ込み「良いシャンプーもあげる。今日の料金もいらないから」と言ってわいせつな行為をしたことについても、男性従業員は「まったく信じ難い」と首を振る。

「代表はサロンでどのシャンプーを使うかへのこだわりは強く、単価の高めのものを使っていたし、本当に良い物を提供することに心血を注いでいました。だからこそ安売りしたり、金額を取らないなどもあり得ないですし、『タダであげる』という言葉自体が信じられません。

それに大体の美容師は女性のお客様に対し、『スタイル向上へのこだわり』はあっても性的に見ること自体があり得ないことだと思うんですよね…。本当に考えられないと思っています」

「しかも、代表にはそんな悪さをするはずがない理由もある」と断言する。一体どんなことか。

「代表にはもう10年来お付き合いしている彼女がいて、結婚間近という状況でしたし、この12月にももう一人従業員を増やし、さらに来年4月にも新入社員を入れるなど、これからもっと事業を大きくしていこうという前向きな志しかなかった。そんな人が、こんな事件を起こすと本当に僕は思わないんです」

悪評と信望とどちらも持ち合わせていた藤井容疑者。面会に訪れた従業員には「やってない」と否認をしたようだが、被害女性たちは何を思うのだろうか。

警視庁(PhotoACより)
警視庁(PhotoACより)
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班