「大学名が書いてあったので卒業できたんだって思っていました」
A氏は若気の至りだとしつつ、さらにこう補足する。
「眞紀ちゃんもですが、われわれ同級生もみなロックに傾倒していました。その影響もあり、当時の感覚でいうと『卒業できない=かわいそう』となるわけがないんです。
大学なんてどうでもよくて卒業していない方がかっこいいとすら思っていたのですから。実際、卒業はしなきゃと思っていても感覚だけで言えばそうだったんです。
卒業式は武道館で行なわれて、卒業証書はキャンパスで渡されましたが、そのどちらにも眞紀ちゃんはいなかったので『来なかったのかな』くらいにしか思っていませんでした。
卒業後も会う機会は減りましたが、友人の結婚式や飲み会などでたまに会ったりはしました。興味もなかったのでわざわざ『卒業できた?』などとお互いに聞きませんし、市長選の時のチラシに大学名が書いてあったので勝手に『卒業できたんだ』って思っていました」
では“疑惑の卒業証書”なるものについてはどのように思っているのだろうか。A氏はこう答えた。
「眞紀ちゃんがどのようにして卒業証書を手にしたのかわかりませんが、少なくとも眞紀ちゃんが偽造したとは私は思っていません。最初の怪文書についても眞紀ちゃんが知らなかった除籍という点に触れています。
実際に眞紀ちゃんは、卒業してなかったわけではありますが、それでも眞紀ちゃんが市長をやっていることによって利害関係があるなかで、何かチカラが働いている部分もあるのではないかって思ってしまいます。
私は眞紀ちゃんの市長選も1日応援しに行ったことがありますが、その時、眞紀ちゃんは『伊東市をしがらみのない形にしたい。しがらみのない形で子どもたちの居場所作りだったり、教育だったりやらなきゃいけないことがある』と言っていました。昔の彼女ならやるべきことがなくなれば明日にでも市長を辞める、そんな人でした。
繰り返しになってしまって申し訳ないですが、やるべきことがあるからまだ市長を続けている、私はそう思っています」
市民や市議選に出馬予定の支援者までもが田久保市長に対し“距離”を置くなか、A氏は終始“眞紀ちゃん”を心底信頼していた。
はたして“疑惑の卒業証明書”の真相は。怪文書の出処は誰なのか。市民は置き去りのまま、伊東市政の混沌は深まるばかりだ。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班