県猟友会の会長の見解は? 

現在、県と県警はクレー弾の飛散を制限する遮へいボックスの設置など、「特別の安全措置」を検討しているが、いずれの安全策も決め手に欠けており、クレー、ライフルの同時開場は見通せない状況にある。

にっちもさっちもいかない安中総合射撃場の現状を前に、県猟友会の大矢力会長がこう語る。

「ライフル射撃場整備には、鳥獣害駆除の担い手育成という公益があることだけは理解してほしい。ただ、そのための予算投入が17億円以上もかかっていると聞かされ、びっくりしている。

それを知った以上、猟友会としてもむやみに税を投入して安中射撃場のクレー、ライフル同時開場を目指せとは言えない。どうしても開場の見込みがつかないというのなら、ライフル棟のみの片肺営業を受け入れる用意はできています」

群馬県はライフル射撃場を得た代わりにクレー射撃場を失ってしまった。地方創生プロジェクト失敗の代償はあまりに大きい。

文/集英社オンライン編集部