「鼻の穴まで切られてひとつになってしまっている状態で……」
いっぽうのAさんもガールズバーで働くのには理由があった。当時の常連客はAさんからこんな話をきいていたという。
「ガールズバーで働いているのは音楽をやりたいからだと言っていました。ヴィジュアル系というか、地雷系というのか、そういう感じのフリフリの服を着てたし、メイクもそっち系でした。出勤も多くてお店ではそれなりに人気もあったと思います…」(当時の常連客)
店で働く前は近所の牛丼屋で働いていたAさんは、演劇やアニメが好きで店でも人気者だった。昨年11月、未来ある18歳の愛娘を何度も刺し命を奪った千明被告に対し、Aさんの父親は声を震わせ胸中を話してくれた。
「あいつ(被告)は娘1人を殺したつもりかもしれないけど、そうじゃない。家族全員が傷ついて、あいつを恨むしかないんだ……。それほど殺され方がひどすぎた。現場のガールズバーで、すでに手の施しようがない状態だったようです。
安置していた病院では、医師が『ひどすぎて全身はとても見せられない』と判断したのでしょう、顔以外は布で隠されていました。でも、顔は、切り傷というか……鼻の穴まで切られてひとつになってしまっている状態で……。病院に向かう途中は『何とかならなかったのかよ』と何度も思いましたが、遺体の状態がもう衝撃的すぎて。どうしても何度もこの時の顔を思い出してしまいます」
公判でも、証言台に立った父親は「少しでも娘に良い報告が出来るよう、身勝手な理由で娘を殺したこの男に、今ある最高の刑罰が下されることを願います」と訴えていた。
懲役19年――。遺族や千明被告は今何を思うのか。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班