実は“名脇役”に憧れているんです
――舞台での森脇さんは、芸人時代とはまた違う魅力がありました。俳優として、今後演じてみたい役はありますか?
10月に、故郷である広島で『わたしが帰りたい家』という舞台が公演予定なんですが、故郷を離れ上京した若者が都会に疲れて出戻りし、幼馴染が結婚相談所で働いていたことから婚活をするというストーリーでして、その若者を演じるんです。
僕、見た目が若いから若い役をもらうことが多いんですけど、もう51歳なので年上の“大人の役”をやりたいですね。実は“名脇役”に憧れているんですよ。主役よりも脇で光る役者になりたいですね。

――名脇役となった森脇さんの姿も見てみたいですね。劇団員としてはどのような夢がありますか?
そうですね、今は自分が売れることよりも、劇団ノーティーボーイズを広めたいです。小劇場は赤字になることも多いけど、舞台はナマで観てもらわないと良さが伝わらない。だからこそスピード感や飽きさせない工夫をしながら、“必ず面白い”と胸を張れる作品を届けていきたいですね。
ここでボイスレコーダーを止め、森脇さんと談笑をした記者だったが、どうしても気になることがあり、再びこう質問した。
――最後に一つだけ聞かせてください。もし再び「ヒッチハイクの旅」のオファーが来たらどうしますか?
またですか(笑)。ヒッチハイクは…うん、もう同じことはやらないと思います。でももし十分なお金があるなら、有吉と一緒にもう一度“あの道”をたどってみたい気持ちはあります。
『ここで野宿したな』とか、『あの店のあの人に世話になったな』と振り返りながら、お礼を言って回る旅。いつか、有吉とそんな旅ができたらいいですね。
電波少年で日本中を旅した若者は、遠回りを経て舞台という旅路に戻り、これからも俳優として活動を続けていく。
文/佐藤ちひろ