豊明市議「市長は日本初とかが好きな人ですから…」
現役の豊明市議らもやや反対モードだ。ある豊明市議は「市民の方から『どういうつもり?』『制御するための具体案は?』『何を考えているんだ』と叱られた」と話す。
「市長の独断であのような抽象的な条例を提案したことに違和感があります。『どういった効果があると思っているのか?』『わざわざ出す必要があるのか?』『罰則がないなら形骸化するだけではないのか』など、疑問をあげたらキリがない」
また、小浮正典市長についてよく知る市議からはこんな意見も飛び出した。
「現職の市長は教育に力を入れているようですから、今回の条例を考えたのだと思います。たぶん市長がお一人で考えられたものでしょう。
彼は日本初とかが好きな人ですから他に条例を制定した自治体があった場合、『2番目ならこんなもの作らないのではないか』なんていう市民の声もあります」
また、今回の報道により、Xなどでも「香川県のゲーム条例のように無意味」との声も多かった。
香川県のゲーム条例とは2020年4月1日に施行された「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(令和2年香川県条例第24号)」のことである。
この条例においては憲法違反だと裁判沙汰に発展することもあった(原告の請求は棄却)が、香川県の子ども政策課に、この条例の効果はあったか率直に聞いてみた。
「はい、わずかながら条例の良い影響はあったと手応えを感じています。と言いますのも、平成26年から香川県では「スマートフォン等の利用に関する調査について」という小中高生に向けたアンケート調査を行なっています。
この条例の真意は、ゲームと子どもの向き合い方についてご家庭で話し合ってほしいことでした。最新の令和6年の調査結果を見ますと、「家庭でのルールの有無」に関する回答で特に高校生の「家庭でのルールがある」という質問の答えが、2020年が50.8%だったのに対し、2025年は53.7%とわずかながら増えています」
今回の愛知の条例について聞くと、担当者は「他の行政さんのことに口出すわけにはいかないですが」としながらも、こう述べた。
「条例内容は違えど、真意としては『家庭内でのお話し合いを、ルール作りを』というものであったはずと思うので無駄なことではないのではないかとは個人的には思います。
また、香川県の条例もゲームを禁じたわけでも悪としたわけでもなく、家族で話し合って欲しいというものでしたので、豊明市もそうなのではと思います」