当選の裏で、借入4社にわたる大借金を返済!

――当選後は、奈良市議会宛に東京の会社を名乗った者から「近日中にへずまりゅうと家族を包丁で◯すぞ」と殺害予告が届いたり、文部科学事務次官だった前川喜平氏に「へずまりゅうが奈良市議に当選した原因は、教育の失敗にある」と投稿されたりもしていますが。

殺害予告の方は、大丈夫でした。私が狙われたのではなかったんですよ。実は差出人として名前を書かれた人が被害者で、海外からその人を貶めるために、そのようなメールをいろんなところに送っている悪人がいるんですね。ニュースにするために私が使われたというのが真相のようです。

前川喜平さんについては、自分はただ奈良のために頑張るだけなので、私に絡んでくる人は日本人の敵だと思っています。前川さんもこれ以上絡んでくることはないと思います。

その一方で、タレントの古舘伊知郎さん、フィフィさん、漫画家の倉田真由美さん、にしたんクリニック社長の西村誠司さんには、SNS上などで好意的なコメントをいただいて感激しています。

私のことを知っていてくれたんだという喜びもあります。こちらから絡んでも悪いかなと思って返信できていませんが……。

――今後も、へずまさんが奈良のためにやろうとしていることを邪魔してくる人間が出てくる可能性は捨てきれません。どう乗り越えようと考えていますか?

幸い私には投票してくれた奈良市民8000人の信用があります。おかしなことがあったら、迷惑系YouTuber時代から築いた発信力を使って、民意に問いたいです。良くも悪くもこの発信力は自民党の高市早苗さんにだって負けてないと思いますよ(笑)。

シカの見守り中にもらった差し入れ
シカの見守り中にもらった差し入れ

――へずまさんが本当に更生されたのだとすれば、同じように世の中の役に立ちたいと思っている人々にアドバイスはありますか?

私は、迷惑系YouTuberとして世間に出ましたが、かつて警視庁の採用試験を受けています。最終面接で落ちましたが、その当時は痴漢や万引き犯を検挙したいと思っていた正義感が強い若者でした。でも大借金をきっかけにYouTubeの世界に足を踏み入れ、利己心が肥大化していきました。

20代の私は人を疑うことを知らず、結婚を見据えた彼女のだらしない父親にお金を無心され、ランボルギーニが買えるほどお金を貸しました。事業が復活したらお金を返すという話でしたが戻ってくることはありませんでした。

当時、大手製鉄会社の給料だけでは間に合わず、アイフル、アコム、プロミス、レイクと消費者金融4社から借り、実は昨年、ようやく返済し終えまして、妻がハサミですべてのカードを切り捨てました。

サラリーマン時代は消費者金融に月10万円返済しても元金が一切減らず、ちまちま稼いでもしょうがないと腐っていたんでしょうね。そして迷惑系YouTuberになったわけです。

そんな私が今思うのは、炎上してSNSでバズってもやり方を間違えていれば、将来必ず後悔するということです。悪いことをして、応援してくれる人はいない。

苦境に一発で逆転しようとするのではなく、やりたいことを見つけたら、それをコツコツと続ける。諦めないで継続することが大事だと思います。

たとえ人生を見誤っても善行を続けていれば認めてくれる人は必ず現れます。それを信じて、毎日をすがすがしくすごしてほしいです。

シカの見守りが政治家への第一歩となった
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取材・文/全夏潤