「話題作りでは?」「何をしたいのかわからない」の声に本人は…

「おい! ジジイババアは道を開けろ! オレたち若者のジャマをするんじゃねえ!」

4月19日、池袋駅東口のロータリーには、怒号のような声が響きわたっていた。街頭演説を行うのは、上下グレーのスウェットを身にまとった、元迷惑系YouTuberのへずまりゅう氏(無所属・31才)。過去にスーパーで会計前の刺身を食べて逮捕された、あの”大炎上男”である。へずま氏の周辺には30人ほどの若者が集まりスマホを向けていた。演説中、高齢者が横切るとすかさず攻撃的な言葉を連呼、一部の若者たちから笑い声があがっていた…。

〈豊島区議選出馬〉「ガーシーと何が違う?」元迷惑系ユーチューバー・へずまりゅう(31)を直撃!「またサボるのでは?」「“老人消えろ”発言の真意」「西武・ヨドバシ問題」全部聞いた!_1
多くの若者がスマホをむけていた(撮影・集英社オンライン)
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へずま氏といえば2月20日、自身のTwitterにて豊島区議選に出馬することを宣言。その後は福岡でラウンジ、キャバクラなどを展開する企業の広報担当として雇用されるもの、初日から仕事を無断欠勤したことで話題を呼んだ。

人口約30万人の豊島区は、これまで故・高野之夫氏が長期にわたり区長をつとめ、今回その“跡目争い“がおこなわれる注目選挙区だ。かねてより池袋駅に直結した百貨店「西武池袋本店」に家電大手「ヨドバシカメラ」が出店する計画が報じられたことから、地方選とはいえ区民の関心も高い。

池袋駅近隣の飲食店でも、へずま氏の街頭演説は話題になっていた。

「ニュースで立候補を表明したのは知ってましたけど、まさか本当に出馬して、街頭演説まで行うとは思いませんでした。4月17日の公示日、駅前のポスターはいの一番に貼って話題をつくってましたけど、まだ住宅街の掲示板には、彼のポスターだけ貼られていなかったんです。選挙公報もたった一言だけで、区のことを真剣に考えているか不安です」(40代・飲食店店主)

〈豊島区議選出馬〉「ガーシーと何が違う?」元迷惑系ユーチューバー・へずまりゅう(31)を直撃!「またサボるのでは?」「“老人消えろ”発言の真意」「西武・ヨドバシ問題」全部聞いた!_2
豊島区議会議員選挙公報より

「ガーシーと同じで名前が有名だから面白がって若い子はいれちゃうでしょうね。公約にも『晒す』とか書いてあるし…。これまでにも当選したら何もしていない区議や、不倫をしたり不正に金をチョロまかす区議もいたけど、豊島区に注目が集まるぶん、彼のほうがその人たちよりマシなのでは…」(30代・飲食店店主)

候補者はどう考えているのか? 自身も高齢者施設を運営している、わがい哲代(70・無所属)氏が語る。

「多様性の時代ですし、それぞれの立場で出馬するのは賛成ですが、高齢者を攻撃するのはいかがなものかと思います、誰もが年をとる。高齢者を邪険にするのではなく、対策をしっかりして若い人の負担を減らす政策もあります」

また、同じく候補者の林二葉(50・維新)氏も首を捻る。

「一度も、選挙カーなどですれ違ったこともなく、何をしたいのかわかりません。若者に特化する政策はともかく、高齢者を切り捨てるのはどうかと思います」