なぜ、これほど日本の不動産を買い漁るのか
なぜ、彼らがこれほど日本の不動産を買い漁るかといえば、何ら難しい規制もないし、何より母国である中国では不動産を所有することができないからだ。
ベトナムなどもそうだが、社会主義国の多くは使用権の売買はできても所有権ではないのだ。その上、社会保障制度は世界有数に優れている上に治安が良く、政治的にも安定している。
さらに慢性的な円安状態によりディスカウント価格で日本の不動産を買えるのだから、相当お得に映るのだと思う。
さらに中国にはいわゆる相続税が存在しない。だから、日本の不動産資産は子孫への相続が容易で安全であるといえるのだ。仮に非居住者から非居住者に相続された場合、そしてその不動産が転売された場合などは税務当局も税金の徴収は難しくなるはずだ。
近年、旧軽井沢や中軽井沢の億を超える高級別荘地や高級リゾートマンションに香港、シンガポール、台湾系、中国系の富裕層の買いが入っているという分析は報告されている。
が、それとは別に中軽井沢・南ヶ丘・追分・千ヶ滝・借宿などのエリアでは、築年数の古い中古別荘が500万円〜1500万円程度で取引されることも珍しくない。
中国語が飛び交う、軽井沢のスーパー
日本人所有者が維持できなくなったり、相続などで不要になったりした「空き別荘」を中国人または合同会社名義が現金一括またはローンを使って購入する事例が報告されている。
実際に、軽井沢の駅前で不動産業を営む知人によると別荘地にとどまらず、最近では住宅地でも中国人が頻繁に購入しているという事例が多いという。この場合、日本人代理人が登記上代表の場合もあるという。
現在、私は軽井沢で生活しているが、スーパーマーケットには生鮮品を買い漁る中国人旅行者が実に多い。
軽井沢では有名なツルヤやデリシアといった大型スーパーにも日本人居住者と同じくらいの人数が押し寄せている。平日、休日問わず日本語よりも中国語が聞こえてくるほうが圧倒的に多いほどだ。
実は軽井沢町は全国でも特に民泊規制が厳しい自治体で有名だ。住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく届け出型民泊は、軽井沢町では「ほぼ全面的に制限」されている。