4年後の再就職は厳しい 

――龍円さんにとって、政治家は天職ですか?

実は3期目に立候補するかどうか半年くらい悩んでいました。やりがいはありますけど選挙に落ちたら無職ですし、生活のことだけ考えたらもっと安定した職に就いたほうがいいんじゃないかと周りからも言われたりして。

3期目が終わって4年後には50歳になっていますから、そこから再就職ってやっぱり厳しい。だったら40代のうちに別の仕事を探したほうがいいかなとか、いろいろ考えてしまったんですよね。

最近は街中で議員として気づかれることが多いという
最近は街中で議員として気づかれることが多いという
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――それでも3期目に挑戦した決め手は?

これまで取り組んでいたことがたくさんあり、結果も出ていますが、まだまだ根づいていないからです。私が議会で質問し続けることで育っているものなので、質問する人がいなくなったら多分そこでシュンって消えてしまう。

私のなかでは1期・2期・3期でホップ・ステップ・ジャンプになるようしたいと考えていて、3期目は都議としての集大成にするつもりです。私が都議でなくなってもインクルーシブ政策が育っていく状態に持っていくことがまずは目標かなと思っています。

――今後の抱負をお願いします!

今日も朝起きたら腰が痛くて(笑)。正直ワンオペ育児と政治家の両立に毎日四苦八苦です。でも子どもたちの未来、社会を良くするために動けるのはとても達成感があって、充実しています。

一回しかない人生、ここは頑張り時かなと考え、後悔しないようにこれからも職務に当たりたいと思っています。

取材・文/若松正子 写真/わけとく

<プロフィール>
龍円あいり
都民ファーストの会 広報本部長 東京都議会文教委員会所属 東京都監査委員。1977年スウェーデン生まれ。1999年にアナウンサーとしてテレビ朝日入社。2006年テレビ朝日報道局へ異動。2011年退社後、米国カリフォルニアへ留学。2013年にダウン症のある長男誕生。2017年東京都議会選挙に初当選。2025年7月3期目の当選を果たす。日本最大の政策コンテスト「マニフェスト大賞」を受賞。政策として公約した全98項目のうち未着手ゼロで公約進捗率95%を誇る。