マスコミからの洗礼のおかげ 

――龍円さんは、政治家として公約した全98項目のうち未着手ゼロということですが……。

私は公約を正直に書くようにしていて。本当にやりたいことだけを公約にしているので全部に着手できる。特にすごいわけじゃないんですよ(笑)。

――「あまり仕事をしていない」と揶揄されがちな“タレント議員”にどんな印象を持っていますか?

そもそも私自身は自分をタレント議員の枠だと認識していないです。だって私がアナウンサーとしてテレビに出ていたのは今の大学生ぐらいの子たちが生まれた頃ですから。知らない人のほうが多いんじゃないですか(笑)。

国会議員が何をしているのか、全然わからないので何とも言えないのですが、都議のほうが思ったことに着手しやすい部分はあると思います。

さきほどの公園の話でも、国会ベースで「公園法を変えましょう」みたいなことになると実現までの道のりが長いですが、都議だと行政改革はスピーディーに実現できます。

なんでも喋ってくれる気さくさ
なんでも喋ってくれる気さくさ

――ちなみに有名な人が議員になったりすると、すぐにマスコミが身辺を嗅ぎまわったりしますが、そういった危機を感じたことは?

みなさんが覚えているかはわからないんですが、実は私、テレビ朝日に入社した1年目にマスコミに事実無根の記事を出され、裁判をやっているんですよ。

まだアナウンサーデビューする前のことだったので、ある日いきなりメディアに自分の顔と名前が出て唖然としました。まったく身に覚えのないことだったのでどうしようみたいな……。

しかも名前が「龍円」でめずらしいので、妹の就活に影響が出たり、大学教授をやっていた父の仕事にも影響が出たりして、怖かったし、つらかったですね。

でもあの一件で洗礼を受けました。火のないところに煙が立つ世界だということを知ったので、それ以来まっとうに生きようじゃないですけど、人の恨みを買ったり誰かに「あいつの足の引っ張って貶めてやろう」とか思われたりしない生き方をしないといけないなと。

ですから議員になったからといって、特に何か注意するといったことはなく、その前からまあまあ気をつけて生きてきたって感じです。