「テレビ局だけが業界ごと消滅してしまった」
ここから分かることは、昔と今とで学生の就職に関しての志向はさして変わっていない、ということです。昔人気だった企業は今も人気で、多少の企業の入れ替わりはあっても、大きな違いはありません。
要するに、「テレビ局だけが業界ごと消滅してしまった」、ということなのです。産業の栄枯盛衰は世の常であり、かつて花形であった産業が、気がつけば斜陽産業になっている、という例はいくらでもあります。しかし、10年でこれほど凋落した例を、私は他に知りません。
「就職人気企業ランキング」はあくまで人気投票のようなものであり、実際の学生の応募動向とは異なる点も多々あることでしょう。とはいえ、学生からの人気が大きく下がってしまえば、テレビ局各社の採用活動にも影響を及ぼすことは、避けられないはずです。
文/今道琢也