「劇画刑事・星 逃田(ほし・とうでん)!の巻」(ジャンプ・コミックス第17巻収録)
今回は、本庁勤務の刑事・星逃田(ほし・とうでん)の初登場回をお届けする。
星は“劇画刑事”と呼ばれており、ハードボイルドを気取る言動を両さんにさんざんいじられまくり、みんなが忘れた頃に再登場することすらネタにされるギャグキャラとして定着した。
だが本作における星は、登場のたびに漫画内の背景の画風やコマ割りなどが劇画風に一変させるという、『こち亀』が漫画というフィクションであることを自覚している言動を取っている。
本作のラストで、星が読者に「とあるお願い」をするのだが、それに対し読者が応えてくれたことが、後の再登場回「劇画刑事・星 逃田IIの巻」(ジャンプ・コミックス第18巻収録)で描かれている。つまりフィクションと現実とが交錯する展開になっているのだ。
さらにこの男、同作ではストーリーの途中から何と実写化! 人気漫画がアニメ化されたり実写映画化されたりするのはよくあることだが、この話における星の場合は漫画の中で絵ではなく写真を使って描写されているのだ。なお星を「演じている」のは、秋本治先生のアシスタントを務めていた漫画家・とみさわ千夏先生だ。
それでは、漫画の約束ごとを漫画の中で次々とぶっ壊す規格外のキャラクター、星逃田が好き放題するお話をお楽しみください!!