発達障害は不登校の直接の原因にはならない…子どもが学校になじめないときに親ができることは「苦労や失敗を経験しやすい」環境の調整
発達特性のある子どもにとってノルマ化やダメ出しの多い環境というのは、特に苦痛となる。だからといって「学校になじめないなら仕方がない」と不登校を正当化してもいいわけではない。適切に環境を整えることで不登校を防ぐ方法はないのだろうか。
書籍『発達障害・「グレーゾーン」の子の不登校大全』より一部抜粋・再構成して紹介する。
発達障害・「グレーゾーン」の子の不登校大全 #3
環境を調整すれば、不登校は予防できる!
これまでに「発達障害の子の不登校では、環境的な要因の比重が大きい」「主な要因は学校の側にあることが多い」と書いてきました。そしてここでは「環境を調整できなければ、不登校を選ぶしかない」という話もしました。それだけでは悲観的な話に思えるかもしれませんが、これは裏を返すと「環境を調整すれば、不登校は予防できる」という話でもあります。
私は、発達障害の子の不登校は、対応次第で予防できるものだと考えています。そしてその対応というのは、けっして難しいことではありません。環境を調整することです。学校やクラス、先生を選ぶことはできなくても、環境を調整して、子どもたちが苦労しにくい学校にしていくことはできます。
子どもが「学校に行きたくない」と言っているときには、その子が学校を楽しいと思えない要因がどこかにあるはずです。
親と先生は子どもの話を聞きながら、さまざまな要因を考えていきましょう。そして、その子が「こういう学校だったら行きたい」と思えるような環境を整えていきましょう。子どもと大人でよく相談をして、環境調整に取り組んでいくことが、発達障害の子の不登校を防ぐための最善の方法です。
写真はイメージです 写真/Shutterstock
発達障害・「グレーゾーン」の子の不登校大全
本田 秀夫
2025年6月21日発売
1,760円(税込)
256ページ
ISBN: 978-4866808574
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●「発達特性を持つ子どもの不登校」に焦点を当てた初の書籍
子どもが「学校に行きたくない」と言ったら、大人はどうすればいいのでしょうか。 休ませて様子を見たほうがいいのか。 それとも、励まして登校させたほうがいいのか。 保護者の方からそのように聞かれることがあります。 学校の先生方から「どう対応すればいいのか」と質問されることもあります。 この本では、そのような悩みにお答えして保護者や学校の先生をしっかりサポートしていきたいと思います。