子どもは学校もクラスも先生も選べない
子どもの発達の仕方は、一人ひとり違います。本当は、それぞれに合った教育が必要なのですが、日本の義務教育では基本的に、一斉・一律の集団指導が前提とされています。また、学習指導要領という形で、何年生には何を教えるということが示されています。教育の方法や内容が、基本的に決まっているのです。
しかしそれは、平均的な子どもに合わせてつくられたカリキュラムです。その方法や内容がなじまない子もいます。
勉強が苦手で授業についていけない子もいれば、授業の内容が簡単すぎてつまらなく感じる子もいます。勉強以外の面で、学校生活のルールなどになじめない子もいます。
子どもが授業になじめない、学校になじめないと感じたとき、もしも学校やクラス、先生を柔軟に選ぶことができるのなら、その子は学校生活に参加しやすくなるでしょう。しかし現在の教育制度では、子ども本人にそのような選択肢は与えられていません。
特に義務教育の段階で、公立の学校に通っている場合には、子どもが自分で学習環境を選ぶことはほとんどできないでしょう。